阿部智里さんの松本清張賞受賞作『烏に単は似合わない』からはじまった、85万部突破の大ヒットファンタジー「八咫烏シリーズ」は、発売中の『弥栄の烏』でいよいよ第一部完結しました。
周到に仕掛けられた謎解きとどんでん返しの行方は――本書見本版をお読みいただいた書店員さんから届いた大反響を、一部抜粋してご紹介させていただきます!
☆ネタバレには最低限留意していますが、
内容・結末に触れている箇所もあるのでご注意ください。
最初に『烏に単は似合わない』を読んだ時は、ファンタジーだと思っていたら、最後は本格ミステリで、すごい才能が現れたとびっくりしました。ファンタジーの世界の構築力とミステリとしての完成度の高さ、両方を兼ね備えた稀有な才能だと思いました。
また、前作の『玉依姫』では現代の日本に話がつながり、その物語のスケールの大きさに圧倒されました。よく鈴木光司さんの『リング』『らせん』のようだと吹聴していました。惜しむらくは、この興奮を味わってもらうためには、5巻まで読んでもらわないといけないことでした。とりあえず、まず1巻の『烏に単は似合わない』をただのファンタジーだと思っていたら、最後に絶対びっくりさせられる、とおすすめして回っています。
さて、『弥栄の烏』を読んで、今作の魅力は何といっても大猿との戦争ですが、今回は、(銀英伝のような)戦記ものを書く才能もあるのかと驚かせられました。雪哉が最後は烏の世界を救ってくれるのではないかと勝手に想像していますが、そうなるにせよ、そうならないにせよ、またアッと思わされる展開で物語の面白さを教えてくれると期待しています。
(ジュンク堂書店吉祥寺店 川島)
実はこの物語は完璧に自分好みの作品のため、読み始めたら仕事も家事も放り出すに決まっているからと、大変失礼ではありますが2巻目以降はずっと読むのを我慢していたため、今回プルーフをいただくにあたり既刊すべてを拝読する機会をも頂戴できたことは本当にうれしく幸せでした。(余談ですが、読んでいる間、家事機能はほぼ止まりました。)
先日、弊店をよくご利用くださる年配のご夫婦から、店内で1巻目が目にとまり購入してみたところお二人してハマってしまい、既刊全てを一気読みして次巻の発売を心待ちにしているとのお話を伺う機会がありました。また、『空棺の烏』の単行本が発売されたときに、併設の珈琲館をご利用くださる年配の女性も1巻をお買い上げのあと、ご来店のたびに2巻目、3巻目・・・とお買い上げくださり、若い世代だけではなく幅広く親しまれていることを実感しております。もうすぐ発売されますとお伝えしたころ、どちらのお客さまも楽しみだと、心待ちしてくださってるご様子でした。
今回、『玉依姫』を読んでいたにも関わらず、物語の最期のギリギリまで事が起こり、手に汗を握らされ、この先ってどうなるんだったっけ? あれ・・・? もしかしたら、え? 最悪の結末? などとどうしようもなくドキドキさせられました。
1作目を拝読した時から感じましたが、物語は最後の最後まで本当にどうなるのかがわからず、気持ちを落ち着けて読んできた過程を思い起こせば、其処此処に巧みに伏線が張り巡らされ、 それぞれが私の未熟な思考では思いもつかない展開と結末には、読み応えという言葉以上の満足感を味わせていただきました。
だからこそこれほどまでに読者の皆さまがまだ見ぬ次巻が待ち焦がれるのかもしれませんね。映像化されたらどうなるか、思わずそんなことまで考えてしまいました。こんなにも物語の続きが楽しみに思えた作品は初めてかもしれません。素敵な作品を、本当にありがとうございました。
(七五書店 森 晴子)
八咫烏ファンに衝撃が走った前作『玉依姫』と表裏をなす一冊。第一部の完結編はワクワクのらせん階段が今まで以上にぐるぐる巻きになっていました。
いやいやいやいや、奥が深すぎるよ、山内!この奥行きの深さが八咫烏シリーズの醍醐味。読み終わった時、ビールを一気飲みしたみたいに「ぷはーっっ!」と叫びましたよ。
なんていうか、単純な烏王国物語じゃないところにみんな心惹かれるんですよね。はやく続きが読みたい。いったいどうなる。どうなる!
(精文館書店中島新町店 久田かおり)
ついに第一部完結!どんなフィナーレになるのだろうとワクワクしながら読み始めました。前作「玉依姫」では描かれなかった烏側の視点を通して、さらに山内の経緯が明らかになった今作!巻が進むごとに広がりと深みを増してゆく宇宙に夢中になるばかりです。
完結したばかりですが、次回作がとても楽しみです。
( BOOKPORT大和店 齊藤)
一刻も早く読みたいと願う一方で、一秒でも長く読んでいたいというジレンマを抱えながら読んだ。『弥栄の烏』、第一部完結巻。山内を襲った未曽有の危機、猿との戦いに決着がつくというだけでなく、何かが終わってしまう、そんな寂しい予感を抱いていた。けれど読み終えて感じたのは「終わり」ではなく「はじまり」の予感だった。八咫烏たちの物語は続いていく。またそれを楽しみに待つことができるのだ。それが嬉しい。
第一巻から登場してきた八咫烏たちの成長や変化は、驚異的だ。第一印象からここまで変わるかという人物も多々いる。それは作風が変わったのではなく、作者が意図し伏線を張り続け回収して見せてくれた変化なのだと確信している。だからこそ、こんなにも自然に八咫烏たちが生きていると感じるのだ。彼らの歴史、彼らを育てた環境、こんな風にふだん会話をしているんだろうとか、こんな表情を見せるんだろうとか、物語の中に書かれていない彼らの日常の営みの存在まで感じている。
読むひとの心の中に彼らを生かし続けることができる。何よりも阿部智里という作家が物語の創り手として素晴らしい点だと思う。彼らに物語の中でまた会えるその日まで、本を売り続けて待っています。
(紀伊國屋書店グランフロント大阪店 山本 菜緒子)
今回最も人間?として深みが出たのは真赭の薄かな。思えば「単」の頃のえぇとこのお嬢さんキャラから付き従う役割へと立ち位置を変えた彼女、守るべきものがあることで本来の資質が発動したのだと思う。
一方、「切れ者」にはひと握りの優しさや余裕が無くなれば一気に「冷徹」「冷酷」へ変貌してしまう危ういものだと改めて感じた。
(紀伊国屋書店名古屋空港店 山崎蓮代)
『弥栄の烏』の後に『玉依姫』を読むと、俄然面白く感じました。シリーズ第1作・第2作とも共通していますが、単に別視点から描くというだけでなく、それぞれの立場からしか見えない真実、そして状況が織り込まれており、先行作も後行作もものすごく情報量が多いんですよね。重層的で、「出題編でフラストレーション」「解答編を読んでスッキリ」ではなく互いを読めば読むほど、どんどん物語に奥行きがいや増していく。出口の見えない洞窟の奥に、全速力で連れていかれる感覚です。
今作では、山内存亡の危機に瀕した登場人物たちの、信頼で結ばれるがゆえの、衝突、絆、そしてより濃厚な人間ドラマを堪能しました。第一部完結と聞き、まだまだこの世界を楽しめると安心しました。
(丸善松本店 田中)
阿部さんのストーリーテリングの力に圧倒され、どっぷりとはまりこみ、完結に近づくにつれとても淋しく思いました。本作では、自分の正体を探す旅を若宮とともにしたように思います。
正体とはなにか
正しさとはなにか
正義とはなにか
そこに真実はあるのか
それらを問うには、自覚が必要である──
血なまぐささから、煌めきへ。世界が変わる瞬間を感じられて、この作品はとても尊いものだと心から思いました。この体験をひとりでも多くのお客様にお伝えできればと思います。
(啓文社ポートプラザ店 高垣亜矢)
いや、もう、こんな展開になるとは。厚みがある作品だな、とは思っていましたがファンタジーとはいっても安易にハッピーエンドに持っていかないところ、またそれでも納得のいく骨太な世界感に改めてどハマリしました。
第一部が、完結とのことですが一体今後どうなっていくのか、楽しみです。
(紀伊國屋書店広島店 藤井美樹)
私は阿部さん初体験だったのですが、かなり読み応えがあるように感じました。異形の者たちが、現代でどうやって生存していくのか、というテーマは、他では見たことがありません。このバックボーンにより、ファンタジーとしては異色な作品になっていると思います。
お客様にご案内したところ、「すごく楽しみにしています」というお声を頂きました。私も、発売を首を長くして待っております。
(CHIENOWA BOOK STORE 若山)
恥ずかしながら、シリーズではじめて読んだのが最終巻。さすがにすぐにストーリーには入れませんでしたが、始まりのところから読みたくなりました。
(TSUTAYA JR野田店 石橋)
『烏に単は似合わない』と『烏は主を選ばない』のように志帆から見た視点で語られていた『玉依姫』では若宮の行動がいろいろとわからないことが多かったことが語られていて若宮がどうしてあれほど危機感を抱いていたのかが納得できた。『玉依姫』から続いていた山神、そして記憶の戻らない金烏の謎解きもいろいろな神の伝承交えつつ展開される和風ファンタジーの醍醐味を味わった。
(正文館書店本店 鶴田)
シリーズ最大の危機到来!! 山内は、八咫烏は、一体どうなってしまうんだ!! ドキドキしながら読みました。先生!! 続きが、めちゃくちゃ読みたいです!!第二部が待ち遠しい!!
隠された山内誕生の秘密。それは……八咫烏の存在を根幹から覆してしまうものだった!? 長編シリーズだからこそなし得る壮大な人間(烏)ドラマに胸が締めつけられました。まさかこんなことになるなんて!!
誰もが予想し得なかった八咫烏の命運に、目を背けずにいられるだろうか?
(喜久屋書店明石駅ビル店 松本光平)
ここまで読んできて良かった!!
巻を経るごとに、美しい日本語はそのままに優雅さをまといながら歴史と謎が交差し、スピード感溢れる迫力とスリルに満ちた一級品。登場人物全てが主役になりうる今作は、シリーズの中で最も好きな作品
(明文堂書店富山新庄経堂店 野口陽子)
早速これを機会に一作目から読み進め、シリーズを追うごとに読むスピードを抑えきれず、読み終わった後も余韻の沼からしばらく這い上がって来られないままいっそこのままずっとはまっていたい気持ちです。どの作中でも登場人物達の心情に触れ、彼らの言葉に心が震える場面ばかりで…是非この作品をまだ知らない方々にも一作目から大事に読んでもらいたいと思えるシリーズ作品でした。
終盤の思いもよらない展開で、度肝を抜く阿部智里ワールドは読者なら周知の所ですが、自分でも気づかない内に心ごと持って行かれていた様です。素晴らしく感動しました!今回の作品が次に続くステージにどう関わって行くのか、今から楽しみです。
来年の夏を首を長くしてお待ちしております
(丸善広島店 永井)
心が動かされるとは、この事だ!
何という素晴らしき物語世界だろう。
自然と人間が繰り広げる壮大なファンタジーは、禁断の地も聖域をも踏み越える。
個の細胞レベルからこの世の全てを震わせ、大地と天空を溶け合わせるような
おおらかな包容力もまた印象的。
圧巻の筆力で、深淵なテーマを刻みつけた、読み継がれるべき伝説の誕生に拍手!
(三省堂書店営業企画室 内田剛)
空棺の烏を文庫で読んだあと玉依姫も文庫を待とうとしていましたが、読み終えてすぐさま玉依姫を購入しました。それと今回の弥栄を通して読めたので臨場感が凄いというか興奮しました!このときこうだったというのがきちんと理解できたのもよかったです。ぜひ読者にはもう一度通して読むことをお薦めしたいですね。(寝るのが惜しくでも寝なきゃいけない、結果八咫烏の夢までみました)
八咫烏シリーズは巻を重ねるごとに世界感が壮大になっていて、出てくる人物もどんどんと成長していっていました。弥栄の烏は特にそれが顕著です。異世界が舞台でも読者を置いていかずそれどころかしっかり引き込まれてまるでその場にいるように感じられるところが大好きです。オール読物に外伝が掲載されていましたが、他の人物の物語も今後ぜひ読みたいです。個人的には天狗と、路近。つまりはまだまだ読み足りません! ぜひ続編を期待しています!
(うつのみや金沢香林坊店 小松稚奈)
5巻目の『玉依姫』でさらにいろいろ疑問がわいてきていたので今回の巻で第一部完結と聞いて、いったいどんなストーリーになるのだろうとわくわくしてました。今回も、表が一瞬で裏になる、はっとする展開で、初めて『烏に単は似合わない』を読んだ時の衝撃がよみがえってきました。
この巻を読んで、『玉依姫』を読んでさらにもう一度一巻目から読み直しました。 雪哉や若宮をはじめ、登場してきた人々のそれぞれの覚悟の強さに震えました。 「正義」と「悪」は表裏一体で、見方によるのだと、改めて感じました。
(明文堂書店金沢野々市店 表理恵)
実はシリーズの第一作目が発売された時に、読むか読まないか悩んで結局読まなかった本でした。今回「弥栄の烏」を読んで、やっぱり読んでおけば良かった!と後悔しました。とても面白かったです。読んでる間、続きが気になって気になって……。
「弥栄の烏」を読んでからとにかく気になって「烏に単は似合わない」から順に読んでいます。第一部の完結を読んでいるのでネタバレ感はありますけど、やっぱり面白いです。
一作目と二作目は対になっているというのがとても良かったです。今は、「玉依姫」を読んでいるところです。
最後まで読んでからと思いましたが、読むのがあまり早い方ではなくて。これからどうなっていくのか、本当に本当に気になります。楽しみにしています。一年に一度の楽しみが一つ増えました。応援しています。
(MARUZEN広島店 中島)
クライマックスと言っていいのだろう奈月彦と大猿の対峙する場面、これまで謎として残されていたことがら明らかにされていき、それぞれの善悪の立ち位置さえも揺らいでいく。シリーズを通して緻密に組み立ててこられた世界観にまったくの綻びを感じさせずに、ここまで物語を運んできた著者の力には脱帽するほかない。
第二部で活躍するのはお馴染みの面々なのか、それとも新しい世代になるのか? なんにしても今から楽しみで仕方がない。
(ジュンク堂書店ロフト名古屋店 石本秀一)
八咫烏シリーズは私が書店員という事を忘れ、一読者として新刊発売を楽しみにしている作品です。これまでの5作すべてがここに繋がりワクワクさせられました。少年の成長と、それぞれの正義がぶつかり合う今作も夢中になり一気読みしました。いつもながら早く続きが読みたくなります。
(BOOKPORT大和店 坂井真や)
金の烏である若宮が、山内の民を守るため満身創痍で記憶を辿ろうとする姿、応援しながら 息を詰めながら 読み進めました。第一作から読んでいる方は、親のような 友のような気持ちで 物語の終演を見守ったでしょう。
私は実は、この物語に触れたのは最終巻が初めてでした。もっと早く読めば良かった!遅ればせながらも、八咫烏シリーズに出会えて良かったです!
まだ読んでない方は、これから第一作から じっくり浸る楽しみが待っています。この物語から、読書の楽しみを知る第一歩になる方もみえるでしょう。この世界観、魅力的な登場人物たち、物語が持つ力の強さ。
余韻に浸りながら、第二部を心待ちにしています。
(MARUZEN名古屋本店 竹腰香里)
自分は誰なのかという奈月彦の問いや山内の成り立ちの謎が解かれていく面白さ、そこから明らかになる悲しみややりきれなさ。幾つもの思いが重なりつつ進んでゆくクライマックス。
これだけでも十分面白いのに前作の「玉依姫」があるおかげで更に世界が広がりました。最後の場面は一枚の名画を思わせる美しさでした。
(明林堂書店JR別府店 後藤良子)
弥栄の烏はとても面白かったです。シリーズを読んでいなくても、この作品の世界観に没頭できると思います。このシリーズは個々の作品が補完しあうように成立しているので、よりいっそうこの作品の世界観を味わいたいと思うならば、全部の作品を読むべきである。
弥栄の烏を読み終わったあとで、シリーズを一から読み返しています。本当にこれで、完結してしまうのでしょうか?
(文教堂赤羽店 丸山亮一)
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『赤毛のアン論』松本侑子・著
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