八咫烏シリーズ第一部完結となる『弥栄の烏』の刊行を記念して、8月20日に文藝春秋西館ホールにて行われた阿部智里さんと声優・神谷明さんとのトークイベント。お二人のトークショーや神谷さんによる『黄金の烏』の朗読、苗村さとみさんのグッズ販売など大いに盛り上がりました。当日に参加者の方々からいただいた質問に、阿部さんがWEB上でお答えしていきます。
過去のインタビューにもヒントがあります!
Q.今回の神谷明さんとのコラボレーションはきっかけがあるのでしょうか?
A.担当編集者さんとのご縁で神谷明さんに八咫烏シリーズをお勧めいただいたところ、作品を気に入ってくださったことからイベントが実現しました。
Q.八咫烏シリーズを執筆しはじめたきっかけやイメージはどのように作られましたか。
A.このシリーズが生まれたきっかけは、高校時代に書いた『玉依姫』に脇役として出てきた八咫烏たちが思いがけず可愛かったこと、同作品で「山内(やまうち)」という用語が出来たことからですね。アイデアの断片ということでしたら、四六時中考えているうちに、ぽこんと浮かんできます。詳しくはサイト内の記事「作家・阿部智里と女子高生・阿部智里。8年の時を経た最新作『玉依姫』」をご覧下さい。
Q.阿部さんは今までどのような本を読んでいらしたか教えてください。
A.瀧井朝世さんにインタビューいただいた「第176回 作家の読書道」で幼少期からの読書体験をお答えしています。どうぞ参考にしてください。
Q.大学生です。もうすぐ留学に行く予定です。進路に迷っています。自分のやりたい事を貫くのは大変なことと思いますが、辛いときはどうしていましたか?
A.これは作家という職業がいつでもどこでも誰でもプロデビュー出来るということが大きいのですが、何か辛いことがあっても「この経験が夢を叶えることに繋がるんだ」と思うようにしていました。私は小さい頃からずっとプロとして小説を書くことが夢でして、幸運にも学生時代にデビューが叶ったのですが、その直後、担当編集さんから就職の心配をされてしまいました。「今の時代、売れなければ専業作家にはなれないんですよ」と、夢が叶ったと思った瞬間、まだ何も変わっていないのだと思い知らされたわけです。きっと、夢にゴールはないのでしょうね。辛いことが完全になくなることはありませんが、夢もまた、完全になくなることはないと私は思っています。今この瞬間を「やりたいことをやる一過程」として捉えることが出来れば、「辛さ」の種類は変わるのではないでしょうか。
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