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季節の和菓子が色を添える江戸人情時代小説、藍千堂菓子噺シリーズの第2弾『晴れの日には』が文庫になりました。 今回は、藍千堂の看板菓子をイラスト入りでご紹介!
画・鈴木ゆかり
ストーリー
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季節のお菓子でにぎわい、日々評判が高まる藍千堂。
神田の片隅のこの小さな店を切り盛りするのは、晴太郎と幸次郎の兄弟。この二人、実は江戸で名店と謳われる「百瀬屋」先代の息子たち。
父母亡きあと、叔父の清右衛門に訳も分からず店から追い出されたのだ。兄弟は、亡き父の教えと「甘いもん」を前にした時の客の「いい顔」を励みに、職人の茂市と三人で店の評判を上げていく。
そんなある時、菓子一辺倒、仕事一筋の晴太郎が恋をした。ところが惚れた相手の元夫は、奉行所を牛耳る大悪党。前途多難な恋の行方に不穏な影が忍び寄り……。
藍千堂の看板菓子
【青柚子の葛切(あおゆずのくずきり)】
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砂糖蜜に絞りたての青柚子の汁を足したもので、きりりとした酸味と爽やかな香りの夏菓子。雪が悪阻で食べられなくなった時にこの葛切だけは食べられた。
【巾飩(きんとん)】
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白大角豆の餡のみで作る。白餡を紅に染めた紅餡を丸めて芯に使い、白のそぼろ餡を纏わせ、薬研で研ろした粒の粗い氷砂糖をかける。
【子戴(こいただき)】
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滴の形に平たくした草餅の、真ん中の窪みに丸めた白餡を載せたもの。白餡には金柑の砂糖煮を細かく刻んだものを混ぜ込む。草餅の深く濃い草色と、白餡の淡黄蘗、金柑の菜の花色が目に鮮やかな雛菓子。
【光琳菊(こうりんぎく)】
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重陽(九月九日)の頃に売りに出す薯蕷饅頭。尾形光琳が考えた「丸に点」だけで表す菊の描き方を工夫して饅頭に仕立て上げたもの。餡の中に蒸かした薩摩芋の欠片がひとつ入っているのが藍千堂オリジナル。
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