
『あんこの本』という本を初著に持つ「あんこ者」の私は、生まれ育った京都をはじめ、日本各地の和菓子屋さんへ取材に行く機会が多い。
きっと職業病だろう、藍千堂菓子噺シリーズの初巻である『甘いもんでもおひとつ』も、いつのまにか神田相生町にある『藍千堂』という小さな菓子屋をいちから取材しているような目線で読んだ。
紅のあん玉に白のそぼろ餡、粒の粗い氷研(こおりおろし)をまぶした巾飩(きんとん)で二重、三重の景色を表現するなんて、写実的な造形の上菓子が好まれる江戸の菓子司にしては、ずいぶん抽象的な意匠の上菓子を作るんだなあ。あっ、なるほど、晴太郎らが菓子作りを教わったお父っつあんが京の菓子司の息子で、だから修業先も京の出店の菓子司だったのか。
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