![六代豊竹呂太夫さん×大島真寿美さんによる文楽『妹背山婦女庭訓』特別鑑賞会が国立劇場で開かれました。](https://b-bunshun.ismcdn.jp/mwimgs/4/7/1500wm/img_47c4d3de90ce98d374cb4896b08a4153224736.jpg)
- 2019.06.01
- レポート
六代豊竹呂太夫さん×大島真寿美さんによる文楽『妹背山婦女庭訓』特別鑑賞会が国立劇場で開かれました。
「オール讀物」編集部
『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』刊行記念
ジャンル :
#歴史・時代小説
ヒロイン・お三輪の運命に心を奪われて――
そして、発声教室の最大のハイライトは、この日の通し文楽『妹背山婦女庭訓』で呂太夫さんが勤められる、「金殿の段」の朗読でした。恋人の求馬を追い、ライバル橘姫のお屋敷(蘇我入鹿の屋敷)に迷い込んだお三輪が、鱶七に刺されて死の間際、自分の死が求馬の入鹿誅罰に役立つことを知って涙を流す場面です。
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大島さんが心を奪われたお三輪というヒロインの切ない運命は、呂太夫さんのファンの皆さんはもちろん、この日初めて文楽を観るという参加者の胸にもぐっと迫ってきました。実は、呂太夫さんは先月体調を崩され、通し狂言『妹背山婦女庭訓』の初日から数日、休演をされています。数日前に復帰とあってご体調が心配されましたが、無事にこの日までに間に合わせていただけたのは、本当に有難いことでした。
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イベント終了後は、待ちに待った『妹背山婦女庭訓』第二部を実際に観劇。3時45分から9時までという長丁場でしたが、皆さんがこの世界にどんどん引き込まれ、特に最後の「金殿の段」でのお三輪を操る桐竹勘十郎さんと呂太夫さんの熱演には、大島さんは「もう江戸の世界にどっぷり入ってしまって、こちらに(現代に)戻ってこられないかもしれない」と胸を熱くされていました。
国立劇場での公演は連日満員大入で終了しましたが、6月には女流義太夫演奏会や文楽若手会でも『妹背山婦女庭訓』がかかります。『渦』を読んで、実際に『妹背山』を聴く&観るという体験は絶対のお勧めです!
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