書名(カナ) | ウズ イモセヤマオンナテイキンタマムスビ |
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ページ数 | 368ページ |
判型・造本・装丁 | 四六判 小口折 並製カバー装 |
初版奥付日 | 2019年03月10日 |
ISBN | 978-4-16-390987-5 |
Cコード | 0093 |
第161回直木賞受賞作。
選考委員激賞!
虚構と現実が反転する恐ろしさまで描き切った傑作! ──桐野夏生氏
いくつもの人生が渦を巻き、響き合って、小説宇宙を作り上げている。──髙村薫氏
虚実の渦を作り出した、もう一人の近松がいた──
「妹背山婦女庭訓」や「本朝廿四孝」などを生んだ
人形浄瑠璃作者、近松半二の生涯を描いた比類なき名作!
江戸時代、芝居小屋が立ち並ぶ大坂・道頓堀。
大阪の儒学者・穂積以貫の次男として生まれた成章(のちの半二)。
末楽しみな賢い子供だったが、浄瑠璃好きの父に手をひかれて、竹本座に通い出してから、浄瑠璃の魅力に取り付かれる。
父からもらった近松門左衛門の硯に導かれるように物書きの世界に入ったが、
弟弟子に先を越され、人形遣いからは何度も書き直しをさせられ、それでも書かずにはおられなかった……。
著者の長年のテーマ「物語はどこから生まれてくるのか」が、義太夫の如き「語り」にのって、見事に結晶した奇蹟の芸術小説。
筆の先から墨がしたたる。
やがて、わしが文字になって溶けていく──
硯
廻り舞台
あをによし
人形遣い
雪月花
渦
妹背山
婦女庭訓
三千世界
小説を書いている間の、喜びも苦しみも、まあだいたい、わかったつもりになっていました。楽しいこともあれば辛いこともある。そんなの当たり前。それでも一行一行書きつづけるだけ、そう思って、二十数年、やってきました。
ところがところが、この、『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』を書いている間、なんといったらいいか、そういう、自分の知っているレベルをはるかに突き抜けた喜び、楽しさが味わえたのです。むろん、苦しいときもあるにはありましたが、ともかく、ありえないくらいに書くことが楽しかった。
もう、ほんとにこれで充分だ、と思っていました。こんな幸せ、そうないよなー、と。これ以上、望むことはなにもない。
それなのに、思いがけず、この小説で直木賞をいただきました。
またべつの(味わったことのない)喜びに浸れるなんて……。
また一行一行、書きつづけていきます。
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