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本をまったく読まなかった少年が作家になった理由

本をまったく読まなかった少年が作家になった理由

『ガラスの城壁』刊行記念トークイベント


ジャンル : #エンタメ・ミステリ

新人賞漁りをしていた頃

 こうして本の面白さを知ってからは、ひたすら買いまくりました。

 新人賞漁りをしていたこともあります。特に江戸川乱歩賞受賞作を読んでいましたね。池井戸潤さん、福井晴敏さんと受賞者がすごかったんです。池井戸さんの作品はデビュー作の『果つる底なき』からずーっと読んでいます。「半沢直樹」がブレイクするのは、デビューから15年後。そのときは快感でしたね。デビュー作から俺は読んでいるぞという(笑)。これも小説を読む醍醐味です。

 本はいつブレイクするかわかりません。刊行から時間が経っていても、いきなりブレイクして、日本中誰もが知る作品になることがある。実は名作なんだけど埋もれているシリーズを捜すのも読書の楽しみですね。

 僕、全集集めも好きなんです。江戸川乱歩先生の全集はぜひ読んでみてください。あとがきがとにかく面白い。素直に書いているんです。こんな作品、便所の紙にして捨ててやりたいとか、書きたくなかったけれど編集者に言われて書いたとか(笑)

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単行本
ガラスの城壁
神永学

定価:1,540円(税込)発売日:2019年06月27日

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