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<特集「文学なき国語教育」が危うい!>現役高校教師座談会 「文学」で「論理」は十分学べる

<特集「文学なき国語教育」が危うい!>現役高校教師座談会 「文学」で「論理」は十分学べる

出典 : #文學界

「文学界 9月号」(文藝春秋 編)

 樋口 樋口智則と申します。私は千葉県で教員に採用されまして、四年間、県立検見川高等学校に勤務しました。その後、東京、埼玉、神奈川、千葉の一都三県で行われている人事交流事業の一環で、都立日比谷高等学校に着任しました。教員歴は今年が六年目です。

 田畑 都立日比谷高等学校から参りました田畑千博と申します。教員歴は今年で九年目。まだ学ばなければならないことが多い身なのですが、このようなところに参加できて、とても嬉しく思います。

 八木澤 私立麻布中学校・高等学校で教員をしております八木澤宗弘です。私は麻布の教員としては実は今年が新人で、その前に四年間、私立芝中学校・芝高等学校で教えていました。今日はよろしくお願いします。

 伊藤 まずは入試の変化について議論しましょう。先日、プレテストが公開されまして、ご覧になられたと思います。先ほど述べたような大きな変化があるわけで、この共通テストをみなさんの生徒が解くことになるのですが、何を感じられますか?

 田畑 プレテストや模試をいくつか見せていただいたのですけども、「実用文」が説明書であったり法律に関する文章であったりすることにまず驚きを覚えました。これまでの高等学校の国語では、こういった文章を読むという発想がなかったものですから。正直に言いまして、誰もが読めばわかるように書かれているものを、どのようにして高等学校で教えていけばいいのか、考えあぐねている状態です。

 伊藤 義務教育を終えていれば誰しもがわかるはずのことをなぜ、大学入試で問うのかっていうことですね。

文學界 9月号

2019年9月号 / 8月7日発売 / 定価970円(本体898円)
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