
――何年か前の日記などを読むと、「代わりなんかいくらでもいるんだ」と言われ、傷つき、意見を引っ込めたり、謝ったり、怒ったりする壇蜜さんがいましたが……。
壇蜜 変わってきたと思います。昔は「必要とされてない」って言われると、核心を突かれたようで嫌だったんですけど、今は、核心を突かれているから「別にそれはそうですよね」っていうふうに理解できるようになりました。
「おまえみたいなセクハラの受け流し方をするから、女の人は強くなれない」ともしょっちゅう言われますが、最近は、そう言ってわたしをねじ伏せようとする人は、ねじ伏せることでご飯を食べているんだ、と思って、ねじ伏せられたフリをしています。「ハハ、駄目な奴ですよ」と言って……。
それに今の私の仕事は、演じるときのあざとさだったり、計算していると言われたりすることでお金が発生します。ある意味、体を切り売りしている生活なんだと思っています。
――それにしても、よく怒りませんね。
壇蜜 怒りの気持ちはあります。でも、何か言われて、「ああ、もうどうしようもない」と思ったら、家に帰る途中で、落ちている空き缶を見かけたら絶対に拾うというゲームをします。拾わなきゃ死ぬっていうルールです。
――幼稚園生や小学生が、道路の線をわざと踏まない遊びと似ていますね。
壇蜜 あれのこじれた版です。空き缶拾っても何も得しないじゃないですか。それを拾いながら「よし、損しよう」と思うんです。