「現代詩は自分のことばかり言い過ぎてませんか?」(町田氏)、「表現において私にこだわり続けることは肯定したいんです」(伊藤氏)
──ジャンルを横断して言語表現を続けてきた両氏が、現代詩、歌詞、小説、朗読、落語、古典翻訳など様々な形式における言葉の可能性について徹底的に討議する。
人間のやることはだいたい演劇
――本対談のテーマは、ずばり「言葉」です。小説に限らず、詩や歌詞といった表現における言葉全般に対して、今現在どのようなことを考えていらっしゃるのか。文学の最前線で活躍し続けてきたお二人に、お伺いできればと思います。
伊藤 最近はもう学生のことで頭がいっぱい。詩を教えるのが面白い。現代詩ど真ん中の子もいれば、そうじゃない子もいる。今年はリリックを熱心に書く子が入ってきて、それがまた面白い。
町田 リリック、つまり歌詞ですね。
伊藤 その子、最初はつまらなかったんです。だから「町田康読みなよ」って言って、『町田康全歌詩集 1977~』を渡したの。そしたら、書く詩がガラッと変わって、すごく面白くなった。こないだの町田さんのバンドの「汝、我が民に非ズ」のライブにも来てました。
町田 ライブ、いかがでした?
伊藤 すっごく面白かった。歌なんだけど、歌としてはなんか違う。知らない言葉がどんどん出てくる。アンコールでやった曲のあの言葉は頭にこびりついて離れませんよ。「おまえの頭を開いてちょっと気軽になって楽しめ」。
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