――iPS細胞の山中(伸弥)先生に聞かせたい(笑)。
壇蜜 最先端技術も使う小道具づくりで、粘土を使うという発想のギャップも面白かったですね。そこで浮かんだのが、粘土でできた人影のように、どこに目があるのかよくわからない人間の像です。人間の脳には顔細胞という、顔だけを認識する細胞があるのに、なぜか、人間の顔を思い出せない病気があったことも連想しました。デビュー前、(エンバーマーという遺体衛生保存の仕事をしていた時)粘土で遺体を修復し、顔を作ったことも思い出しました。そうして、新婚早々、夫に先立たれたばかりなのに、夫の顔を思い出せなくなっちゃったかわいそうじゃない未亡人の話っていうのができたんです。
――いやあ、意外なところをグルグルグルグル回りながら。
壇蜜 すごいグルグル回りました。
――ところで、壇蜜さんは、自分の書いたものにお金を払ってくれる人には「情報」を提供するのがファンサービスで、作家の林真理子さんとの対談をまとめた『男と女の理不尽な愉しみ』(集英社新書)では〈提供する情報のヒミツ度は、ブログ、テレビ、ラジオ、雑誌連載、自分の本という順番で高くするように仕分けしてます〉と語っています。ですから小説集では、どのくらい“ヒミツ”がつづられるかと思ったら……。
壇蜜 完全に作り話ですね。
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