『はんぶんのユウジと』(壇 蜜 著)

――テレビや映画の仕事もあり、お金はあるのでは……。でも、『日記』を読むと、熱帯魚の水槽の水を循環する機械を買われたり、出費も多そうですね。

 壇蜜 ようやくナマケモノを手に入れたので。次にまた何か新しい生き物を手に入れたくなる。その資金繰りを。大蛇とかちょっと興味があるんですよね。

――ナマケモノは、いつ手に入れたんですか。

 壇蜜 五月ぐらいです。

――家で飼っているんですか?

 壇蜜 家で、ぶらんぶらんしてます。

――『日記』を読んでいると、怠けるとか寝るとかいうことに対する欲望の強さを感じます。ナマケモノに親近感があるのですか?

 壇蜜 欲とか煩悩みたいな、人間が持っている、他の世界の生き物から見たらくだらないものを還元したら、ナマケモノが欲しくなったんですよね。

――還元?

 壇蜜 ナマケモノをかわいがればもうちょっと生真面目に行動できるかもなって。

――百八つの煩悩は、ナマケモノを飼い始めてから減りましたか?

 壇蜜 全然減ってないですね。ナマケモノ、全然なついてくれないんで(笑)。

文學界 12月号

2019年12月号 / 11月7日発売
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