――全五編の連作小説集で、最後の三編は書き下ろしですね。今年一月刊行の『壇蜜ダイアリー』(文藝春秋)を読むと、昨年の日記では〈眠い〉という言葉が頻発し、〈寝溜め以外に楽しみが見つからない〉とあります。いったいいつ小説を書いたのですか?
壇蜜 休みをもらって書いていました。
――日記なら十分、ブログは二十分、エッセイは一時間弱。湯温四十一度のお風呂に入りながら防水タブレットで書くとおっしゃっていましたね。小説は?
壇蜜 タブレットにキーボードをくっつけて、ダイニングに座って書きました。登場人物の展開とかをすごい小さな付箋に書き、それを見ながらです。紙類が風呂だとふやけちゃうんで、部屋での執筆になりました。
――それにしても第一話の未亡人らしくない未亡人という発想は、どのようにして生まれたのでしょう。
壇蜜 以前撮っていたドラマで、中国から来た小道具さんで、すごく器用な方がいて、ある日、スタッフさんが、「人影が欲しいな」と言ったら、「粘土で人影は作れます」と話している。人影なんて、実際に人を置いておけばいいと思うのに、それを粘土で作ろうとする発想が面白くて。それで、「人も作ったことあるんですか?」って言ったら、「頑張ればできると思いますよ」みたいな話になって。
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