アガサ・クリスティが一人の女性を救った
この本のタイトルは「つながらない勇気」です。それは他者と「つながらない」ということではありません。人間は他者との関係の中で生きていくのですから、まったく孤立した状態では存在そのものが危うい。
かんじんなのは「ネットだけ」で人とつながるというのは幻想だ、と理解することです。「つながらない勇気」とは、ネットを人とつながる手段の中心にしないということ。しかし、それはとてもハードルが高い。
なぜなら現代では、現実的な人間関係の構築そのものが、けっして簡単ではないからです。その背景には家庭、学校、職場、地域といった、これまでの人間関係を担保した社会の枠組みが壊れつつあり、以前のように安定的なつながりを確保できにくくなっていることがあります。
SNSやネットゲームなどを四六時中手放せない人は、リアルな人間関係がうまく構築できていない場合が多い。つまり現実の世界で人とリアルな関係が築けないがゆえに、ネットのつながり感に逃げこんでいる、ということもできます。
ではどうすればいいか。そこで本書の主題である「読み書き」に立ちもどります。
これまで何度も強調してきましたが、「読み書き」は自分自身の知性や思考、想像力を土台とする、とても個人的な営みです。それが個人の精神的な行為だからこそ、ほかの人には計りしれない内面の強さにつながります。
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