2019.03.21
特集

AIに小説が書けるのか？　──『＃電書ハック』配信記念#3

電子書籍の現在と未来を語る、IT系作家と現役電子書店員座談会

ジャンル : #小説

『#電書ハック』とは？

趣味は栞集めに古書店巡り。バリバリの文学少女だった春日枝折は、見事に老舗出版社への入社を果たす。期待に胸をふくらませて出社した枝折に告げられた配属先は電子書籍編集部!?　
紙の本から戦力外通告を受けた老作家・南雲、ネット民には刺さる引きこもり作家・漣野、紙の本には目もくれないデジタル電子書店員・有馬たちとの出会いに戸惑う枝折。
やがて漣野たちが出版界の内幕を暴露するテロ攻撃、〈電書ハック〉を計画していると知り……。
文学少女が編集者として一人立ちしていく姿を追いながら変貌する出版界の明日を占うお仕事小説。
2018年11月に電子書籍オリジナル小説として配信が開始された。

参加メンバー

◎柳井政和（プログラマー、ゲーム開発者、技術書執筆者の顔も持つIT系に強い作家。『#電書ハック』の著者。43歳）
◎加藤樹忠（株式会社ブックリスタReader Store企画部部長。40歳。ソニーの電子書籍端末の初期から関わっている古参の業界人）
◎佐藤由布子（同Reader Store 編成部ストアディレクター。39歳。大の小説好き。ノートパソコンを前に切れ者感を漂わせる）
◎松原嘉哉（株式会社トゥ・ディファクトUX企画部副部長。37歳。熱いトークを展開する熱血漢。ネット書店とリアル書店のハイブリッドのマーケティングやサービスの企画を担当）
◎矢部潤子（同UX企画部ディレクター。61歳。長く勤めた紙の書店員を卒業後、現在はハイブリッド総合書店hontoで電子書店員1年生）
◎司会・荒俣勝利（株式会社文藝春秋電子書籍編集部副部長。52歳。文藝畑から電子書籍編集部に転身）

〈マイクロ・インフルエンサー〉を狙え！

佐藤　電子ストアのSNSについて、どうしたらフォロワー数を増やせるか、バズらせることができるか、柳井さんにはいいアイデアがありますか。

柳井　私自身がバズらせた経験があるなら何か言えるんでしょうが（笑）、基本的にはバズるというのは交通事故みたいなものだと思っています。車が多く走っている場所へ行かないと交通事故には遭わないわけで、もともとフォロワー数が多いか、フォロワー数が多い人に絡むことでバズるというのがほとんどだと思います。まあ、往々にして悪い方にバズることが多いですけど（笑）。

司会　炎上商法ですね（笑）。電子ストアのSNSはどのように運営されているんでしょうか？

加藤　うちの場合はそんなに積極的ではなくて、ストア内の情報をお客さんに届ける以上のことはあまりやっていません。ただ最近、ソニーミュージックの傘下に移りましたので、いろいろなエンターテインメントと絡んだものはやっています。
例えば、2.5次元の舞台のオリジナル雑誌を作って無料で配ったり。2.5次元の役者さんにはツイッター上で7万、8万というフォロワーがいるので、役者さんたちからの情報発信はストアへの来客促進にもなりました。
アーティストの周年ものだったので、初回のライブパンフレットを復刻しました。コアなファンでも1回目のライブまでは見ていない人が多いですからね。
ストア主導でバズらせるというようなことはやっていないですけど、声優さんとかアイドルとか、アーティストさんたちとファンとのつながりを一緒に使わせていただいて電子書籍に興味をもってもらうというようなことは、ここ1、2年うまくいっていると思います。

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