![ネットの洪水から離れてみよう](https://b-bunshun.ismcdn.jp/mwimgs/0/e/1500wm/img_0e1903ed60aa8bfcf8e3c767aa9ffd3d263518.jpg)
本を読むこと、あるいは手紙や日記を書くことが、孤立した状況のなかで、人を救うということを、私は経験的に知っています。小学校から高校にかけて転校が多かったある女性は、継続的な友人や交友関係をつくるのがむずかしく、学校ではいつも孤立していた。休み時間はひとり教室で、アガサ・クリスティやブロンテ姉妹の作品を片っ端から読んですごしたといいます。「海外小説には現実からもっとも遠い空想の世界があった」のだそうです。彼女にとっては、文学が思春期の一〇代をのりきる手だてになったのです。
読書はなぜ孤立を克服できるのか? それは本のなかの物語、あるいは内容を、その人独自の想像力で拡張し、一つの世界をつくりあげることができるからです。自分の思考力、想像力を発揮しなければならないという点では、読書は受動的ではなく、とても能動的です。だから読書には時間とエネルギーと知性を使います。だからこそ、本を読むという「方法」は、ネットでのSNSやゲームにはない、自分だけの特別な充実感を味わうことができるのです。
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「読む」こと以上に「書く」ことには、さらに思考力、想像力が必要です。まっさらな何もない紙にペンで、あなた自身の知性を総動員してゼロから書き上げていくのですから。読むことは「想像力」を必要としますが、書くことはそれに加えて「創造力」をも必要とします。
文章を書くという基本的な力は、だれもが持っているものです。つまり「書くということ」=「創造的な行為」の土台を、人はみんなもっているのです。
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