高城 秀明(男)…自警団のリーダー。「山のもん」。
高城 宗男(男)…秀明の弟。「知らんもん」として発見される。
尾形 圭一(男)…「海のもん」ではあるが、秀明の義父のため、「山のもん」とも付き合いはある。リゾートホテル経営者。
尾形 祐美(女)…圭一の娘。秀明の妻。
田部 草太(男)…自警団のメンバー。秀明の後輩。母親とともに、アジアの某国から千久世(ちくせ)島に亡命してきた。レアゲノムを発掘する技能実習生たちとも通じている。
比留間 ルイ(女)…自警団事務所で事務のバイトをしている。
丸和 玲香(女)…ゲノムパッチという製薬会社研究所社員。
(0) 始まり
男、登場。
男 (緊張気味に)では、始めます。WB40832のポーポーです。こちらが私のポートフォリオです。創作過程を神話スタイルでお伝えします。
男、液体の入ったカプセルを見せる。
男 タイトルは『クニウミ』。よろしくお願いします。
遠い昔。まだ人が生まれる前のこと。
世界は一つの玉でした。
ひとりぼっちだったのです。
そして、闇の王ダーダーに五兆四千億回、
殺されては再び玉として蘇ります。
五兆四千億一回目で、玉は「誰か私を見つけて」と光を求めました。
すると、光の中からポーポーの神様が現れました。
ポーポーの神様は三本の角が生えていて、人間の姿をしています。
「お前を知っているよ」神様はそう言いました。
喋れなかった玉は言葉を欲しがります。
神様は指で玉を突き刺します。そして口ができました。
喋れるようになった玉は、
今度はその口でポーポーの神様を食べ始めます。
するとどうでしょう。神様と同じような形になっていったのです。
目と鼻が、頭と胴体と手足ができてきます。
そして、下半身にとんがった部分とくぼんだ部分ができあがります。
ポーポー様は男女が一緒になった形をしていたのです。
inseparable「変半身(かわりみ)」
2019年11月29日~12月11日 東京芸術劇場 シアターイースト
2019年12月14日~12月15日 三重県文化会館 小ホール
2019年12月18日~12月19日 ロームシアター京都 ノースホール
2019年12月21日~12月22日 神戸文化ホール 中ホール舞台上
原案 村田沙耶香 松井周
脚本・演出 松井周
出演 金子岳憲 三村和敬 大鶴美仁音 日髙啓介 能島瑞穂 王宏元 / 安蘭けい
inseparableは、村田沙耶香(小説家)と松井周(劇作家・演出家・俳優)が台湾、日本の島での取材と創作合宿を基に、共同で原案を開発し、小説と舞台をそれぞれに発表するプロジェクトです。
小説版『変半身』(村田沙耶香著)は筑摩書房より発売されています。
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『赤毛のアン論』松本侑子・著
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