12月4日にラカグsokoで開催されたイベント「2019年の推し本はコレ! 目利き書店員が本音で語る、愛と辛口にあふれた選評会!」でもHMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE 新井見枝香さん、八重洲ブックセンター 内田俊明さんという二人もの書店員さんが「推し本」に挙げるなど、今年の読書界、話題の1冊。
二十歳のひと夏をかけた恋を、10年後のひと晩に思い返してゆく『神様の暇つぶし』を、20代、30代、40代の女性3人で読書会。年頃が違えば読書のツボも違うもの!?
参加者プロフィール
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ユミコ
24歳。入社2年目。二十歳なんてまだついこないだと思っていたけど……。 -
マナ
34歳。転職したばかりの新しい仕事が面白くてしばらくは恋愛より優先。 -
カオリ
42歳。こどもの小学校入学で月日の流れの速さを痛感。
――『神様の暇つぶし』(千早茜)はネットなどで見ると「10年後に読んだらまた違うことを思いそう」なんて声がすごく多いので、実際どうかな? ということで職場で一緒のお三方に読んで集まっていただいたわけですが……。
父を亡くして一人暮らしとなった二十歳の藤子のもとに、ある夏の晩おとずれたのは、父よりも年上の写真家・全さんだった。与え、奪い、彼女を被写体とした写真集「FUJIKO」を残して去った男。彼と過ごした時間はなんだったのか――10年を経て、藤子はあの夏を思い返してゆく。
カオリ 小説の中に二十歳の藤子とアラサーの藤子がいて、同じ人なんだけど10年を隔てた主人公が二人いる感じなのがまず面白いなと思いました。読む人の年齢によって、どっちの藤子寄りになるかっていうのも、感想が変わってくる理由かも?
マナ ですね。アラサーになって二十歳の頃を思い出す感じの、もうさすがに痛くはないんだけど、開けちゃいけないフタがあるのが自分でも分かってるからそこは触らないようにしようっていう、あの距離感。すごく、わかります。
ユミコ 私はなんかまだ生々しくて、忘れてたつもりの失恋のこととかが蘇って、なんか今さら恥ずかしくなっちゃって枕に顔おしつけて「あああーっ」て声出したりもしました(笑)。
カオリ まだ数年前のことだもんね(笑)。
ユミコ 大学の中の人間関係がすべてみたいになってて、学校で知らない大人を見たときの「え、誰?」っていう感じとか、自分だけが必須科目をさぼっちゃったときの友達に取り残される焦りとか、リアルでした。
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