インタビューほか

「借地」なのに巨額の相続税が! ドラマよりももっとドラマチックなことが起きるのが「相続」

荻原 博子

『最強の相続』(荻原 博子)

地代が2倍にアップ

『最強の相続』(荻原 博子)

 兄弟は地主の同意を取り付けるために、手土産を持って電車で2駅ほど先にある地主の家を訪ねました。玄関のチャイムを押すと、目つきの鋭い高齢の男性が出てきました。

「先日、お電話した田中ですが、父が借りていた『借地』のことで、ご相談に上がりました」

 2人を家に招き入れたその老人は、老眼鏡の奥から迷惑そうな眼差しを向けながら、口を開きました。

「あそこは、駅ができて便利になって、わしが払う固定資産税もえろう高くなっているさかい、この際、地代を値上げしようと思うてます。今までの2倍くらいは払うてもらわなあきまへんがな。よろしゅうお願いします」

「借地権」の売却に同意がもらえないどころか、逆に、使う予定もない家の地代のアップを切り出され、兄弟は二の句が継げません。

 もちろん、売却しなくても、誰かに貸して家賃収入を得るという方法もあります。けれど、そうするにも、前述のとおり地主の同意が必要です。

 かと言って相続放棄をすれば、「借地権」だけでなく父親が遺した800万円も放棄してしまうことになる。

 兄弟は、八方塞がりの状況に追い込まれてしまったことを痛感して、再び税理士を訪ねました。

【次ページ 地主の息子にとっても「借地権」はもろ刃の剣】

最強の相続荻原博子

定価:本体800円+税発売日:2020年02月20日


 こちらもおすすめ
インタビューほかAIは雇用を奪うか? その時、私たちの暮らしは? 人工知能時代の経済を問う!(2016.07.27)
書評油断大敵! 借金返済で困らないための必読書(2015.10.16)