地主の息子にとっても「借地権」はもろ刃の剣
地主が売却に「同意しない」だけでなく、今までの2倍の地代を要求してきたことを聞いた税理士は、次の一手をどうするか思案しているようです。
「そうですか。そら、困ったことになったなあ。なんとか、ええ方法がないか考えてみまひょう」
そう言うと税理士は、携帯電話を取り出しました。
「ちょい教えて欲しいんやけど、○○に住んでいる地主の△△さんは、どないな人ですやろ」
電話の相手は、地主の家の近所で営業している馴染みの不動産業者でした。
その不動産業者によると、地主は、昔から近所でも「がめつい」と言われている抜け目のない商売人で、説得するのはなかなか難しいとのことでした。
ただ、最近、経営していた会社を息子に譲り、隠居生活に入っていることもわかりました。
そこで兄弟は、税理士と一緒に、会社へその息子を訪ねました。
社長室に通されると、精悍な顔つきの50代と思われる長身の男性が待っていました。
父親と違って物腰も柔らかく、税理士と兄弟に椅子を勧めました。そして、雄一が語るこれまでの経緯に耳を傾けました。
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