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「借地」なのに巨額の相続税が! ドラマよりももっとドラマチックなことが起きるのが「相続」

「借地」なのに巨額の相続税が! ドラマよりももっとドラマチックなことが起きるのが「相続」

荻原 博子

『最強の相続』(荻原 博子)

出典 : #文春新書
ジャンル : #ノンフィクション

地主の息子にとっても「借地権」はもろ刃の剣

『最強の相続』(荻原 博子)

 地主が売却に「同意しない」だけでなく、今までの2倍の地代を要求してきたことを聞いた税理士は、次の一手をどうするか思案しているようです。

「そうですか。そら、困ったことになったなあ。なんとか、ええ方法がないか考えてみまひょう」

 そう言うと税理士は、携帯電話を取り出しました。

「ちょい教えて欲しいんやけど、○○に住んでいる地主の△△さんは、どないな人ですやろ」

 電話の相手は、地主の家の近所で営業している馴染みの不動産業者でした。

 その不動産業者によると、地主は、昔から近所でも「がめつい」と言われている抜け目のない商売人で、説得するのはなかなか難しいとのことでした。

 ただ、最近、経営していた会社を息子に譲り、隠居生活に入っていることもわかりました。

 そこで兄弟は、税理士と一緒に、会社へその息子を訪ねました。

 社長室に通されると、精悍な顔つきの50代と思われる長身の男性が待っていました。

 父親と違って物腰も柔らかく、税理士と兄弟に椅子を勧めました。そして、雄一が語るこれまでの経緯に耳を傾けました。

文春新書
最強の相続
荻原博子

定価:880円(税込)発売日:2020年02月20日

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