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「借地」なのに巨額の相続税が! ドラマよりももっとドラマチックなことが起きるのが「相続」

「借地」なのに巨額の相続税が! ドラマよりももっとドラマチックなことが起きるのが「相続」

荻原 博子

『最強の相続』(荻原 博子)

出典 : #文春新書
ジャンル : #ノンフィクション

「相続」すると税金で1人500万円の持ち出しに

『最強の相続』(荻原 博子)

「借地権」とは、建物を建てるために地代を払って他人の土地を借りる時に発生する権利です。ですから、建物がない駐車場などには、「借地権」は発生しません。

 土地を借りて家を建てても、土地は地主のものなので相続は関係ないと思う方は多いでしょう。亡くなった父の政志も遺族の雄一、健児兄弟も、そう思って疑いませんでした。けれど、地主と契約した人が死亡しても、「借地権」は「財産」として遺族に「相続」されます。

 しかも、「財産」としての価値は、その土地の相続税評価額の6~7割程度の額になります。

 父が遺した預金の800万円を兄弟で相続するために税務署を訪れた長男の雄一は、その話を聞いて驚きました。しかも、にわかに信じがたかったのは、「借地権」の評価が1億4000万円にものぼったことです。

 このまま計算すると、借地なのになんと1560万円もの相続税が発生することになります。

 しかも、ここに父親の預金の800万円を加えると、1億4800万円の相続となるので、「相続税」はなんと1780万円にはね上がります。

 相続税は基本的には現金で支払わなくてはならないため、相続税の納付に父親が遺してくれた預金800万円を充当したとしても、残り約1000万円を相続する2人の兄弟で支払わなくてはなりません。

 つまり、遺産をもらうどころか、1人500万円ずつ税金を納めなくてはいけないということです。

【次ページ 「相続」するも地獄、「放棄」するも地獄】

文春新書
最強の相続
荻原博子

定価:880円(税込)発売日:2020年02月20日

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