
イギリス生活をはじめて2週間あまり。事前に聞いていた通りロンドンは雨や曇りの日が多かったが、その日は青空が広がっていた。
2016年6月11日、私は90歳を迎えたエリザベス女王の“公式”誕生日の取材のため、ロンドン中心部、女王が住むバッキンガム宮殿の前にいた。女王の本当の誕生日は4月21日だ。しかしイギリスでは冬に生まれた王を中心に、天気の安定する夏に“公式”誕生日を設定することが慣例となってきた。イギリスの冬は長く、曇りの日が多く、日照時間も短い(この半年後に私自身も痛感することとなる……)。1年間に2回誕生日があるという不思議な慣習は、イギリスの天気の悪さが生み出したといえる。
エリザベス女王は毎年6月の第2土曜日を“公式”誕生日としていて、トゥルーピング・ザ・カラーとよばれる大規模な祝賀パレードがおこなわれている。バッキンガム宮殿からロンドン中心部のトラファルガー広場へとのびるおよそ1キロの直線道路「ザ・マル」は、すでに一面ユニオンジャック(イギリス国旗)の海となっていた。
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