有隣堂町田モディ店 原田さん
「怖い……これはホラーなのか?!」
昔話のようなやさしい語り口調でするすると読み進めていくうちに、とんでもない世界に引き込まれる紛れもない今村夏子の術(述)。狂おしいまでの愛が辿り着くラストは喜びか哀しみか。筆舌に尽くし難く、読めば誰かと語り合いたくなる作品です。
くまざわ書店本厚木店 原口賀尚さん
この短い物語のもつもの悲しさは、あまりにも美しい。小さい頃から自分の差し出す食べ物を食べてもらえない亜沙は、その悲しみに打ちひしがれながら、木へと転生するのだけれど、そこでの出会いもまたもの悲しい。その行き着く先も幸せとはほど遠いのに、なぜか美しい。悲しさと美しさ、これをぱっと切り取って描ける作家の稀有な才能に感嘆します。
有隣堂藤沢店 佐伯さん
ひゃあっ、今村夏子が描く世界は、まさに予測不可能。一言で言えば、「すっげえな」という感じ。どうしてこんなことが思いつくのか。本当に素晴らしい作家さんです。
宮沢書店TSUTAYAイオンタウン館山店 新藤幸代さん
転生したら……って、最近のネオ文芸についに文春さんも…って思ってしまった。違いました。昔から想像することが物語を生んできたことを思い出しました。主人公の亜沙の「どうして誰も食べてくれないの?」が、何度も途中から「どうして誰も愛してくれないの?」と聞こえてきてしまった。切なくなってしまった。若い人が物を大事にしたり、ゴミ屋敷が問題になったり、今の時代の話なのに、昔話を読んでるみたいな不思議な感覚が残りました。
喜久屋書店松戸店 松本大さん
最悪だ。最高の本に出会ってしまった自分が呪わしくて嬉しい。そう思わずにはいられないリズムとテンポ、そしてその心地のよい不穏さが堪らなく好きです。夢と現の往来かの如く亜沙の人生を追っていく自分は今村ワールドの虜となっていました。
ときわ書房本店 宇田川拓也さん
誰も食べてくれないきれいすぎる手と、若者の口に食べ物を運び続けた末のカビだらけの手。「これがずっと続きますように」と願っても、叶わない現実。わずか30ページで、こんなにも人の世の無情と無常を強烈に写し出してしまう作家・今村夏子に驚嘆しました。
未来屋書店与野店 阿久津綾さん
今村ワールド全開。「たかがわりばし、されどわりばし」。今までには無かった愛の形が見えた気がしました。
旭屋書店新越谷店 猪股宏美さん
奇想天外な展開に驚き、笑い、切ないラストにもの悲しさが残った。
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『赤毛のアン論』松本侑子・著
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