正文館書店長久手店 各務さん
強い望みをかなえられないまま、つくもがみのようになった亜沙たち。その願いを満たしてくれる人にあった時、想いは贄を燃やす炎となりました。物語のような語り口で、人の想いのかたまりの恐さが語られます。
コメリ書房鈴鹿店 森田洋子さん
なんで亜沙はこんなにみんなからさみしい思いをしないといけなかったのか…。悲しくなりましたが木に生まれ変わるというファンタジーな世界観に安堵。でもたくさんの人間社会に溶け込めなかった人達が物に姿をかえ、若者に大事にされて暮らす中でのラスト…。また悲しみが込み上がりました。物を大事にしなくちゃいけないとも切に思いました。…でもどんなに姿が変わっても人間が好きなんだね。
ジュンク堂書店松山店 山本さん
自分の手から差し出すものを食べてくれない亜沙に、最初は滑稽でしたが、とても辛いことなのではないか、と感じました。自分が作った料理・食事をおいしく食べてくれることは、人間の根源的な喜びに直結するので。純粋すぎる亜沙が割りばしになってしまうほどの欲望なんだと思いました。また、ゴミ屋敷の住人が物になった人間を大切にしているという視点で描いているのに斬新でした。自分の中の考え方、物の見方がぐにゃりとゆがむような読書体験でした。
ブックスタジオ大阪店 渋谷宙希さん
まず言わせて下さい! 今村夏子先生大好きです!!「木になった亜沙」読ませて頂きました。やっぱり今村先生の作品はすごい! 木に生まれ変わったなら、木になった亜沙から動物たちが実を食べたりすると思いきや、まさかの割りばし!しかも割りばしの視点で物語が進んでいくとは!! これから、お腹いっぱいになった時は「満腹丸」って言います。
ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店 大江佐知子さん
難解ではなく、むしろわかりやすい生活感のもとに書かれているのに、心のどこかに静かに根をおろすような作品だと思います。ちなみに何回か使ったわりばしは最後揚げ物の時に使ってさよならしている私。わりばしは全うしてるのかなぁ。
紀伊國屋書店堺北花田店 道越保江さん
「えー!」読了後思わずでたひと言。ラストをどうとらえたらいいのか…亜沙の人生は何だったのか…。私の何気ない日常に、この小説がズブズブと入りこんできました。期待を裏切らない、想像のななめ上を行く今村ワールドに満腹丸。今村夏子はやはり天才です。
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