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ベストセラー『反日種族主義』への日本からの応答! 反日を煽った日本人とは?

ベストセラー『反日種族主義』への日本からの応答! 反日を煽った日本人とは?

久保田 るり子

『反日種族主義と日本人』(久保田 るり子)

出典 : #文春新書
ジャンル : #ノンフィクション

『反日種族主義と日本人』(久保田 るり子)

 軍人出身の全斗煥と盧泰愚は経済援助を得る道具に反日を使った。彼らの時代まではまだ、民主化勢力は大きなものではなかった。1980年代から始まった韓国の民主化は思想の解放でもあったため、北朝鮮の対南工作で入り込んでいた「民族史観」が加速度的に広がっていった。金泳三は軍事政権に反対した民主化運動の政治家で、政権には北朝鮮を信奉する主体思想派が潜り込んだ。金泳三自身の大衆迎合主義も作用して、韓国の反日が一気に北朝鮮仕込みの「民族史観」と一体化した。

 李承晩・朴正熙時代、全斗煥・盧泰愚時代、金泳三時代以降は、それぞれが異なる反日だった。金泳三政権以前は、韓国の復興や経済発展を目指し、日韓基本条約を土台にした上での反日の時代だった。金泳三政権で北朝鮮の思想が韓国に根付き、やがて韓国内の親北勢力が結集してできたのが文在寅政権である。文政権は反日を使って保守勢力を攻撃し、「大韓民国」を否定して北朝鮮に寄り添おうとしている。

 北の仕込んだ「民族史観」が反日を中心とするのは、金日成の正統性が「抗日運動の伝説の将軍」にあるからである。また、韓国の民主化勢力がひたすら反日を唱えるのは、李承晩や朴正熙の作った「大韓民国」ではなく、1919年の3.1独立運動と上海での大韓民国臨時政府設立に建国の正統性を置いているからだ。李朝末期に朝鮮が衰退した原因は、権力の腐敗と清やロシアなど外勢への依存体質、そしてシャーマニズム的な精神の後進性だった。それから100年以上経っても、韓国には同じようなシャーマニズム的で排他的な反日が息づいている。

文春新書
反日種族主義と日本人
久保田るり子

定価:968円(税込)発売日:2020年04月20日

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