本の話

読者と作家を結ぶリボンのようなウェブメディア

キーワードで探す 閉じる
性の基本は女、オスは「寄生虫」

性の基本は女、オスは「寄生虫」

橘 玲

『女と男 なぜわかりあえないのか』(橘 玲)

出典 : #文春新書
ジャンル : #ノンフィクション

『女と男 なぜわかりあえないのか』(橘 玲)

 AISのひとはXY型(男)の性染色体を持つが、性自認(ジェンダー・アイデンティティ)は例外なく女だ。思春期には乳房がふくらみ、男性に性的魅力を感じ、多くは結婚して養子を迎え母親になる。唯一の特徴は男性並みに背が高いことで、スーパーモデルのなかにはAISを噂される者が何人もいるらしい。

 聖書には、アダムの肋骨からイヴがつくられ、エデンの園で暮らすようになったと書いてある。だが生物学的にはこれは逆で、イヴ(メス)からアダム(オス)が分岐したのだ。

 もうひとつの理由は、それにもかかわらず、これまでの心理学がずっと男を基本にしてきたことだ。

 アメリカにおいてすら1970年代まで心理学者のほとんどは男で、男の被験者を対象に研究が行なわれていた。男女には生殖器以外なんのちがいもなく、女は「小さな(あるいは劣った)男」と見なされていたのだ。なぜなら、女は生理周期によって実験結果が変動し、“観察対象”として相応しくないから。

 本書に登場する多くの女性研究者は、こうした「男性中心主義」に反発し、さまざまな実験によって「男と女はちがう」、すなわち「女は男の(劣化した)コピーではない」という科学的事実を証明してきた。

文春新書
女と男 なぜわかりあえないのか
橘玲

定価:880円(税込)発売日:2020年06月19日

プレゼント
  • 『もう明日が待っている』鈴木おさむ・著

    ただいまこちらの本をプレゼントしております。奮ってご応募ください。

    応募期間 2024/3/29~2024/4/5
    賞品 『もう明日が待っている』鈴木おさむ・著 5名様

    ※プレゼントの応募には、本の話メールマガジンの登録が必要です。

ページの先頭へ戻る