『女と男』というタイトルに「あざとい」というお叱りがあることはわかっているが、これにはふたつの理由がある。
ひとつは、「性の基本は女である」こと。受精卵を男の子にするのはY染色体のなかのSRY遺伝子(Y染色体性決定領域遺伝子)という微細なDNAで、受胎後5週目ごろから活動をはじめ、性腺を精巣につくり変える。6週目ごろには精巣からテストステロンなどの男性ホルモンが分泌され、未分化の性器結節からペニスが発達し、尿道ヒダが癒着して陰嚢になる。
では逆に、なにが受精卵を女の子にするのだろうか。そのこたえは「放っておけばいい」だ。
Y染色体を持っていても、SRY遺伝子が機能しないか、テストステロンの受容体が欠落している(AIS/アンドロゲン不応症候群)と、胎児は女性として成長する。外性器(ヴァギナ)も正常な女性と同じなので本人も親も気づかないが、思春期になっても初潮がないため、調べると子宮も卵巣もないことが判明する。
こちらもおすすめ
-
事実に基づく驚愕の物語。なぜ日本で「重婚」状態の男性が生まれたか?
-
ソロスから学んだこと
2014.05.28書評 -
スラップスティックな物語に経済理論をあてはめる
-
臆病者が“賢明な投資家”になるには
2006.04.20書評
プレゼント
-
『赤毛のアン論』松本侑子・著
ただいまこちらの本をプレゼントしております。奮ってご応募ください。
応募期間 2024/11/20~2024/11/28 賞品 『赤毛のアン論』松本侑子・著 5名様 ※プレゼントの応募には、本の話メールマガジンの登録が必要です。