累計150万部突破! 八咫烏シリーズ・第2部がついに幕を開けます。
最新刊『楽園の烏』刊行を記念し、阿部智里さんにインタビュー。
音声メディアvoicyの「文藝春秋channel」にて配信した内容を一部、活字にしてお届けします。
音声全編はコチラから→https://voicy.jp/channel/1101/86486
――いよいよ八咫烏シリーズ第2部、『楽園の烏』が刊行されます。
3年ぶりの長編書き下ろしになります。その間、この小説のことをずっと考えていたので、あまり長い間やっていたという感じがしなくて、体感としてはあっという間でした。でもある時にふと年月日を数えて、あれ、もう3年もかかってたんだ!と。常にこの『楽園の烏』のことが頭の中にありながらの生活でしたね。簡単に言うと、受験生の夏休みって感じでした。目の前に大きなことが控えているけれども、カリキュラムが決まってるわけでもなく、とりあえず自分の頑張り次第というか。今までにない苦しみがありました。
なぜこんな3年もかかったかというと、一回出来上がっていたプロットをボツにしちゃったんです。セルフボツ。編集さんも「え!?」ってびっくりされていたと思います。しかも、刊行告知まで打っていたのですが、いざ書き出したときに、「いや、このプロット駄目だわ」と気づいてしまったんですね……。なぜボツにしたかといいますと、第1部に重きを置きすぎたというか、延長線でしか楽しめない形になっていたんです。もう2部じゃなくて、一部の“一部ダッシュ”みたいな感じになってしまっていて。納得いかないものを世に出すわけにはいかないから、ということで、編集さんたちが「なるべく早く次に行けるようにサポートしますから」と非常に温かく見守っていただき、ここに来たっていう感じですね。
――昨年は前橋文学館さんで、「阿部智里展」という大規模な展覧会がありました。
前橋文学館の方々、編集さんたちが頑張ってくださって……。スタンプラリーもやったんです。前橋市内でゆかりの場所8ヶ所を巡るというものだったのですが、会期が7月から10月という一番暑い時期だったので、文学展なのにスタンプラリーの道中にかき氷屋さんを入れるなど工夫しました。お客さんが熱中症になりかねないと思ったので、強制的に水分を取ってもらおうと思って。そもそもスタンプラリーをやろうっていう話になったのは、展覧会が始まる直前、1ヶ月くらい前だったんです。八咫烏シリーズのコミカライズをやっていただいている松崎夏未先生とおしゃべりしているときに、「スタンプラリーとかあったら楽しいと思うよ」という話になりまして。でももう開催日が迫っていたので、無理かなと思いつつ、気楽に編集さんにお話ししたら、翌々日くらいに「スタンプラリーやることになりました!」とご連絡がきて。「時間ないけどできるのかな」と私がポカンとしてる間に、超特急で皆さんが一致団結して準備してくださいました。松崎さんもスタンプラリーのためにイラストを描いてくださって。九州からもファンの方が来てくれて本当にありがたかったです。景品として準備したグッズも全てなくなり、大盛況でした!
-
『赤毛のアン論』松本侑子・著
ただいまこちらの本をプレゼントしております。奮ってご応募ください。
応募期間 2024/11/20~2024/11/28 賞品 『赤毛のアン論』松本侑子・著 5名様 ※プレゼントの応募には、本の話メールマガジンの登録が必要です。