インタビューほか

ミステリ読みの賞賛が続々! 戦後大阪が舞台の骨太警察小説『インビジブル』

聞き手: 第二文藝部

坂上泉さんインタビュー

ミステリ読みの賞賛が続々! 戦後大阪が舞台の骨太警察小説『インビジブル』

いまミステリ好きのあいだで『インビジブル』が熱い!

『インビジブル』(坂上 泉)

 昨年、松本清張賞を受賞しデビューした坂上泉さんの第2作『インビジブル』がミステリファンの心を掴んでいます。
 戦後の大阪で起きた連続猟奇殺人を捜査する中卒叩き上げと帝大卒エリートのバディの活躍を描いた本書には、「エンターテインメントかくあるべしというお手本のような作品」(杉江松恋さん)、「まさに松本清張を想起させる骨太さ」(千街晶之さん)、「警察小説の収穫であり、戦後史ミステリーの収穫」(細野正充さん)など、発売から瞬く間に多数の“激推し”が!
 刊行1か月半ほどで、こんなにもたくさんの書評に取り上げられました。

カドブン「杉江松恋の新鋭作家ハンティング」(杉江松恋さん)
Real Sound「名物書店員がすすめる『“今”注目の新人作家』」(山本亮さん)
・「読売新聞」大阪版9/14夕刊、読書面
・「小説幻冬」10月号、「この新刊がすごい‼」(西上心太さん)
・「週刊現代」10/3・10号、「ブックレビュー」(新保博久さん)
・「週刊文春」10/8号、「ミステリーレビュー」(千街晶之さん)
「日刊ゲンダイ」10/2、「北上次郎のこれが面白極上本だ!」(北上次郎さん)
「東京新聞」10/3、読書面(細野正充さん)
・「サンデー毎日」10/18号、「今週の新刊」(岡崎武志さん)
・「読売新聞」10/14朝刊、読書面「エンターテインメント小説月評」

 いま最注目ミステリの『インビジブル』を知ってもらいたく、先日音声メディアvoicyの「文藝春秋channel」(https://voicy.jp/channel/1101/95677)で公開された坂上泉さんへのインタビューの書き起こしを公開します!
 骨太な歴史エンタメはどのように誕生したのか⁉ ぜひご覧ください。  

かつて大阪にも“警視庁”があった

――昨年、松本清張賞を受賞した『へぼ侍』は西南戦争を描いた作品でしたが、今回刊行された2作目『インビジブル』は、戦後の数年間だけ実在した大阪市警視庁を舞台とした警察小説です。この題材を選んだきっかけはあったのでしょうか?

坂上 もともと戦後史にとても興味があって関連の本を読んでいたときに、大阪市警視庁のことを知りました。当時は「なるほど、そういう組織があったのか」くらいに気に留めていたのですが、『へぼ侍』でデビューして第2作を書こうとなって、戦後の大阪を舞台に書きたいとなったときに「そうだ、当時大阪市警視庁という組織があったな」と思い出しました。さらに警察小説を書いてみたいという気持ちもありましたので、大阪市警視庁を取り上げました。

――大阪市警視庁とはどのような組織だったのでしょうか。

坂上 戦後、日本の民主化を進めるために、それまでの国家警察を解体して新しく民主的な警察組織を作るための改革が行われました。その中で、昭和23年から29年まで施行された旧警察法によって市町村ごとに運営される「自治体警察」と、警察を持つ力のない自治体のための「国家地方警察」という2本立ての警察体制が整えられました。

 日本第2の都市である大阪では、東京の警視庁に負けない警察を作ろうということで、自治体警察に「大阪市警視庁」という名前を付けました。組織としても当時最先端の設備を整え、民主警察のモデル的存在だったと言われています。

――この時代の大阪を書くことの難しさはありましたか。

坂上 資料が西南戦争以上に大量に残っているので、それを読み解くことも大変でしたし、何より当時をリアルタイムで知っている方々が今もたくさんいらっしゃいます。私自身は平成生まれで、昭和のこともよく知らない人間が戦後を書くというのは非常にプレッシャーになりました。

インビジブル坂上泉

定価:本体1,800円+税発売日:2020年08月26日

へぼ侍坂上泉

定価:本体1,400円+税発売日:2019年07月09日


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