春、新たな生活の始まりです。この時期だからこそ読みたい、あなたの世界を広げてくれる「感動本 発掘本 名著本」をセレクトした「いま出会いたい本」フェアを書店で実施中。4月の新刊からはこの4作品がノミネートされています。(これらのフェアは一部店舗で開催中です)
『初詣で 照降町四季(一)』佐伯泰英
<コロナ下の現代と重なる「己丑の大火」。元気をもらえる最強ストーリー!>
日本橋の近く、傘(雨)と下駄(晴れ)の店が軒を連ねる照降町を舞台に、鼻緒挿げの職人・佳乃が活躍します。
全四巻の軸になるのは、文政12年に江戸を襲った「己丑の大火」の被害と復興ですが、コロナ下の現代と重なる状況で、女性の底力と才能が発揮され、力を持った男たちもしなやかに連携します。人々のアイデアと奮闘ぶりを楽しむうちに元気をもらえる最強ストーリーです。5月『己丑の大火 照降町四季(二)』6月『梅花下駄 照降町四季(三)』7月『一夜の夢 照降町四季(四)』と四か月連続刊行、ぜひお楽しみください。(担当YY)
照降町四季シリーズ 特設サイトはこちら!
『彼女は頭が悪いから』姫野カオルコ
<東大の上野千鶴子さんの祝辞でも取り上げられた話題作が文庫化!>
東大の祝辞で上野千鶴子さんが取り上げたことでも話題となった本作。環境も考え方も異なる若い男女が出会って恋に落ちたはずが、東大生5人による強制わいせつ事件となり、さらに被害者の美咲は勘違い女として世間からバッシングされる……。
なぜそんなことが起きるのか? ヒエラルキーの上位にあるものが下位にあるものを軽んじるその意識は、決して他人事ではないと震撼させられます。このいやーな気持ちの正体を探ってみて下さい。(担当YS)
『影ぞ恋しき 上・下』葉室麟
<『いのちなりけり』『花や散るらん』に続く三部作ついに完結>
本書は、葉室麟さんの60冊目の著書で、単行本では最後の小説です。また、『いのちなりけり』『花ぞ散るらん』に続く雨宮蔵人三部作の最終巻です。
京の郊外で、妻子のとともにひっそりと暮らしていた雨宮蔵人のもとに、吉良左兵衛の家人である冬木清四郎が訪れた。吉良左兵衛は重い病を患っており、死ぬ前に吉良家の血を引いている香也にぜひ会いたいという……。
タイトルは、「古今和歌集」にある紀貫之の和歌「色も香も昔の濃さににほへども植ゑけむ人の影ぞ恋しき」からとったものです。葉室さんはこの作品をとても大切に思っていて、「家族を思って書いた」とご家族に言い遺していたそうです。(担当MI)
『音叉』髙見澤俊彦
<THE ALFEEの髙見澤さんの小説デビュー作 音楽と恋が奏でる青春模様>
THE ALFEEの髙見澤俊彦さんが還暦を過ぎて選んだ新天地、それがこの小説です。大学生・雅彦が、友達や恋人の助けを借りながら、バンドとしてプロデビューを目指す姿は、まるでご本人の青春を読むようですが、著者いわく「全くの作り話」だとか。それでも、この作り話が抜群に面白い! 70年代という若者文化が花開いた時代を瑞々しく描いた、音楽と恋が奏でる青春模様をお楽しみください。文庫用書下ろしエッセイは、ちょっとウルっと来ます。(担当TO)
既刊本からのピックアップ
『暗鬼』乃南アサ
〈20万部突破のロングセラー この家族に出会ったら、引き返すことができない……〉
両親、弟妹、祖父母に曾祖母。今どき珍しい大家族に嫁いだ法子を待っていたのは、何不自由ない暮らしと暖かい家族の歓待だった。
しかしある日、近所で起きた心中事件に彼らが関係しているという疑惑を抱いた法子は、一見理想的な家族を前に疑心の闇にはまっていく。
やがて暴かれる、呪われた家族の真実とは。
この他にも話題の本がたくさんラインナップされています。店頭であなたの一冊に出会ってください!