- 2022.06.07
- インタビュー・対談
「偉人でも故人でもないのに…」現役俳優の半生がドラマにも漫画にもなったワケ
俳優・松尾諭さんインタビュー<後編>
ジャンル :
#随筆・エッセイ
,#コミック・コミックエッセイ
チケットを拾ったこと以外は、誰にでも起こりうる「普遍的な物語」
――ドラマも楽しみにしています! 今後また何か書きたいものはありますか?
松尾 今、まさに血反吐を吐きながら新作を書いています。『拾われた男』を書き終わった後も「もう二度と書きたくない!」と思ってたのに、また書いてるんですよね。
役者って、演技の勉強だけだと不十分な気がしていて。例えば声をよくしたり、体が動くようにしたりするのは役者として大事だけど、内面を鍛えるには色々なことに挑戦していくしかないのかな、と。だから「続きを書きますか?」と聞かれた時にすぐ断ってしまうと、役者としての成長をそこでストップすることになるのかも……そう思って、新作を書いているんです。
柔軟に生きていたら演技にも説得力が出ると思うし、頑張ってたらいつか僕もアベンジャーズの一員くらいになれるんちゃうかな、という気持ちでやっています(笑)。
――2冊目はどんな内容なんでしょうか?
松尾 ラブストーリーです。『拾われた男』のスピンオフみたいな要素もありますが、より物語っぽい感じにしています。前作と違ってゼロからエピソードを作り上げている部分もあるので、ちょっと大変ですね。
――奥さんとの恋愛ですか?
松尾 いや、違うんです。これ以上は言えません(笑)。
――最後に原作であれコミックであれドラマであれ、読者・視聴者の皆さんに一言メッセージはありますか?
松尾 偶々拾ったチケットの落とし主が芸能事務所の社長だった……という出来事は運が良かったと思うのですが、他の部分は誰の身にも起こりうる、普遍的な物語だと思います。ただ芸能界で仕事をしてるだけで、僕自身はいたって普通の、泥の中で泳いでるような人間です。ご自身の体験になぞらえつつ読んでもらえると、物語がより膨らんでいく感じがして、嬉しいですね。
――松尾さん、ありがとうございました。
(写真:今井知佑)
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