本屋が選ぶ時代小説大賞、新田次郎文学賞をW受賞した傑作『葵の残葉』から5年。
奥山景布子さんの新作『葵のしずく』が10月7日に発売されます。
時は幕末、維新に翻弄された激動の時代。
尾張藩の分家として美濃にあった高須藩の10代目藩主・松平義建の子として生まれた慶勝(よしかつ)、茂栄(もちはる)、容保(かたもり)、定敬(さだあき)は高須四兄弟と呼ばれました。
今作は四兄弟の近くにいて数奇な運命をたどりつつ、“生きる選択”をした女性たちの姿を瑞々しく描いた、前作に連なる作品集です。
全国の書店員さんから届いた声を紹介します。
喜久屋書店豊岡店 中村美穂さん
今よりもっと女が生きることそれ自体が困難であった時代に不自由な環境の中それぞれが自分なりの考えを持ちながら生きていたという事実、その強さに胸打たれました。
歴史小説は苦手な人、興味がない人にこそ読んでほしいです。きっと伝わるものがあるから。
三洋堂書店新開橋店 山口智子さん
『葵の残葉』で描かれた幕末の激動期、官軍と幕府に分かれ戦った高須四兄弟にゆかりのある女性たちの物語はなんとも味わい深かった。
時代や運命に翻弄され、悲しみの淵に沈んでも、己れの道を選び進む凛とした女性たちの姿が瞼に浮かび、深く余韻に浸った。
ジュンク堂書店名古屋栄店 近藤梨乃さん
時を経たからこそ深まった関係や不思議な縁、各々の想いが溢れていて描かれる彼女たちの強さに胸打たれました。
時代背景としても世の中が大きく動いたところで、不安が渦巻く中、それぞれが迷い考えて決断した選択は、素晴らしく晴れやかさを感じさせるものばかりで、読後の清々しさが気持ちよかったです!!
未来屋書店高の原店 元尾和世さん
葵のほこりを忘れずに生きる女性たち
流れの先にある広い世
うわべだけ見ていては見えぬもの
ささやかな願いと幸せを思う気持ちはいつの世も同じ
一番大切なものをさがして生きているんだなあ
文真堂書店ビバモール本庄店 山本智子さん
歴史の谷間に沈んでしまう女性たちの生が息吹いている作品。
この折り重なった生が今この時代を作り出していると思うと感慨深い思いがある。
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