【速報】第10回「高校生直木賞」受賞作決定のお知らせ

文：「オール讀物」編集部

高校生たちが選ぶ「今年の1冊」――熱い議論の結果は？

　第10回高校生直木賞（同実行委員会主催、文部科学省ほか後援）の選考会が、5月21日13時より、千代田区紀尾井町の文藝春秋にて開催され、下記作品が受賞作として決定いたしました。

　本年は過去最多となる、43校が参加して開催されました。

　全国の高校生たちが集まって議論を戦わせ、直近1年間の直木賞の候補作から「今年の1作」を選ぶ試みです。フランスには、読書教育の一環として30年以上にわたって行われている「高校生ゴンクール賞」（毎年2000人を超えるフランスの高校生たちが参加し、権威ある仏ゴンクール賞の候補作の中から自分たちなりの1作を選ぶ）があります。その日本版を目指して2014年5月に第1回が開催され、『巨鯨の海』（伊東潤）が受賞。以降、第2回『宇喜多の捨て嫁』（木下昌輝）、第3回『ナイルパーチの女子会』（柚木麻子）、第4回『また、桜の国で』（須賀しのぶ）、第5回『くちなし』（彩瀬まる）、第6回『熱帯』（森見登美彦）、第7回『渦妹背山婦女庭訓魂結び』（大島真寿美）、第8回は『雲を紡ぐ』（伊吹有喜）と『オルタネート』（加藤シゲアキ）の2作、第9回は『同志少女よ、敵を撃て』（逢坂冬馬）が選ばれました。第10回となる今回は、全国43校、約300名の生徒が選考に参加しています。

■高校生直木賞実行委員会　代表　伊藤氏貴氏のコメント

「過去最大の43校の代表者が熱い議論を戦わせました。地方予選、全国大会合わせて7時間以上が費やされましたが、議論の中で新たな発見があり、皆まだまだ語り尽くせない様子でした。彼らの読みの深さ鋭さは、とても高校生というくくりで考えるレベルのものではありません。その過程は『オール讀物』7月号や高校生直木賞のHPに発表されますので、ぜひお読み下さい」

■受賞者　凪良ゆう氏のコメント

「お知らせをいただいたとき、嬉しくて泣いてしまいました。暁海と櫂と同年代の高校生の皆さんからいただける言葉ひとつひとつが、わたしの宝物になります。これからも小説を愛してください」

【凪良ゆう（なぎら・ゆう）】
京都市在住。2007年に初著書が刊行され本格的にデビュー。BLジャンルでの代表作に「美しい彼」シリーズなど多数。17年に『神さまのビオトープ』（講談社タイガ）を刊行し高い支持を得る。20年『流浪の月』で本屋大賞を受賞。『滅びの前のシャングリラ』で2年連続本屋大賞ノミネート。直木賞候補、吉川英治文学新人賞候補などに選ばれた『汝、星のごとく』にて、23年に自身2度目となる本屋大賞を受賞。

■今回の参加校一覧

立命館慶祥高等学校／北海道函館西高等学校／岩手県立盛岡第四高等学校／茨城キリスト教学園中学校高等学校／佐野日本大学中等教育学校／渋谷教育学園幕張高等学校／埼玉県立浦和第一女子高等学校／埼玉県立所沢高等学校／駒込学園駒込高等学校／豊島岡女子学園高等学校／聖学院中学校高等学校／三輪田学園高等学校／晃華学園中学校高等学校／東京都立南多摩中等教育学校／日本大学豊山女子高等学校／麻布高等学校／恵泉女学園中学・高等学校／中央大学杉並高等学校／田園調布学園高等部／東京都立国立高等学校／渋谷教育学園渋谷高等学校／品川女子学院／国際基督教大学高等学校／実践女子学園高等学校／東京純心女子高等学校／横浜富士見丘学園中学校・高等学校／横須賀学院高等学校／湘南白百合学園中学・高等学校／向上高等学校／自修館中等教育学校／加藤学園暁秀高等学校／藤枝明誠高等学校／静岡県立磐田南高等学校／豊川高等学校／名古屋大学教育学部附属高等学校／滋賀県立彦根東高等学校／大谷高等学校／灘中学校灘高等学校／愛媛県立八幡浜高等学校／筑紫女学園高等学校／宮崎県立五ヶ瀬中等教育学校／宮崎県立宮崎西高等学校／鹿児島県立松陽高等学校