日本文学振興会より、第172回直木三十五賞の候補作が決定いたしました。選考委員会は、きたる2025年1月15日(水)都内にて開催致します。
◆選考委員(五十音順) 浅田次郎・角田光代・京極夏彦・桐野夏生・髙村薫・辻村深月・林真理子・三浦しをん・宮部みゆき
◆正賞:時計 副賞:賞金100万円
候補作品(作者名:五十音順)
朝倉かすみ(あさくら かすみ)「よむよむかたる」文藝春秋
1960年生まれ。北海道武蔵女子短期大学卒。2004年「肝、焼ける」で第72回小説現代新人賞を受賞。05年、同作品を収録した『肝、焼ける』でデビュー。
〈作品〉「コマドリさんのこと」=第37回北海道新聞文学賞受賞。『肝、焼ける』2005年講談社刊(「コマドリさんのこと」併録)。『田村はまだか』08年光文社刊=第30回吉川英治文学新人賞受賞。『満潮』16年光文社刊=第30回山本周五郎賞候補。『平場の月』18年光文社刊=第32回山本周五郎賞受賞、第161回直木賞候補、他多数。
伊与原新(いよはら しん)「藍(あい)を継ぐ海」新潮社
1972年生まれ。神戸大学理学部卒。東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻し、博士課程修了。博士(理学)。富山大学理学部助教を経て、2010年『お台場アイランドベイビー』で第30回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、デビュー。
〈作品〉『お台場アイランドベイビー』2010年角川書店刊。『プチ・プロフェスール』11年角川書店刊(14年文庫化時に『リケジョ!』と改題)。『ルカの方舟』13年講談社刊=第56回江戸川乱歩賞候補。『博物館のファントム 箕作博士のミステリ標本室』14年集英社刊。『磁極反転』14年新潮社刊(17年文庫化時に『磁極反転の日』と改題)。『梟のシエスタ』15年光文社刊(22年文庫化時に『フクロウ准教授の午睡』と改題)。『蝶が舞ったら、謎のち晴れ 気象予報士・蝶子の推理』15年新潮文庫nex刊。『ブルーネス』16年文藝春秋刊。『コンタミ 科学汚染』18年講談社刊。『月まで三キロ』18年新潮社刊=第38回新田次郎文学賞受賞、第8回静岡書店大賞受賞、第3回未来屋小説大賞受賞。『青ノ果テ 花巻農芸高校地学部の夏』20年新潮文庫nex刊。『八月の銀の雪』20年新潮社刊=第164回直木三十五賞候補、第34回山本周五郎賞候補、第18回本屋大賞6位。『オオルリ流星群』22年KADOKAWA刊。『宙わたる教室』23年文藝春秋刊。
荻堂顕(おぎどう あきら)「飽くなき地景(ちけい)」KADOKAWA
1994年生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業。2020年、「私たちの擬傷」で第7回新潮ミステリー大賞を受賞。21年1月、新潮社から同作を改題した『擬傷の鳥はつかまらない』を刊行し、デビュー。
〈作品〉『擬傷の鳥はつかまらない』2021年新潮社刊。『ループ・オブ・ザ・コード』22年新潮社刊=第36回山本周五郎賞候補。『不夜島』23年祥伝社刊=第77回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)受賞。
木下昌輝(きのした まさき)「秘色(ひそく)の契り 阿波宝暦明和(あわほうれきめいわ)の変 顛末譚(てんまつたん)」徳間書店
※顛の偏は、正しくは「眞」です
1974年生まれ。近畿大学卒。2012年「宇喜多の捨て嫁」で第92回オール讀物新人賞を受賞。14年、同作品を収録した『宇喜多の捨て嫁』でデビュー。
〈作品〉『宇喜多の捨て嫁』2014年文藝春秋刊=第152回直木賞候補、第9回舟橋聖一文学賞受賞、第2回高校生直木賞受賞、第4回歴史時代作家クラブ賞新人賞受賞。『天下一の軽口男』16年幻冬舎刊=第7回大阪ほんま本大賞受賞。『敵の名は、宮本武蔵』17年KADOKAWA刊=第157回直木賞候補。『宇喜多の楽土』18年文藝春秋刊=第159回直木賞候補。『まむし三代記』20年朝日新聞出版刊=第9回日本歴史時代作家協会賞作品賞受賞、第26回中山義秀文学賞受賞。
月村了衛(つきむら りょうえ)「虚(きょ)の伽藍(がらん)」新潮社
1963年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。2010年『機龍警察』で小説家デビュー。
〈作品〉『機龍警察 自爆条項』2011年早川書房刊=第33回日本SF大賞受賞。『機龍警察 暗黒市場』12年早川書房刊=第34回吉川英治文学新人賞受賞。『コルトM1851残月』13年講談社刊=第17回大藪春彦賞受賞。『土漠の花』14年幻冬舎刊=第68回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)受賞。『欺す衆生』19年新潮社刊=第10回山田風太郎賞受賞。『香港警察東京分室』23年小学館刊=第169回直木三十五賞候補。