2007.12.20 インタビューほか

〈異色対談〉
佐藤優 vs. 中村うさぎ
『私のマルクス』――カネと愛とキリスト教

「本の話」編集部

『私のマルクス』 (佐藤優 著)

佐藤 僕とうさぎさんは同志社大学の同窓生で、僕のほうが三学年下です。ちなみに、うさぎさんが入った英文科は、五百点満点のうち三百九十点ぐらい取らないと入れない難しい科で、わが神学部はたしか三百点くらいで入れた。予備校の偏差値リストでも「データなし」とか、そもそも欄がない(笑)。

中村 神学部って人数も少ないし、存在するのは知っていたけど、リアルな認識はなかったよね。『私のマルクス』読んで初めて知りました。まさか神学部の学生がこんなに学生運動にかかわっていたとは……。黒ずくめの格好をして毎日聖書を読んでいるんだというイメージがあったからさ。

佐藤 そんなことない、普通にジーンズとトレーナーだった。うさぎさんは自動車部でしたよね。学園祭のとき、買ってきた中古車を京都府警のパトカーに塗り替えて、二百円払うとハンマーで叩いてぶっ壊せるというパフォーマンスをやっていたでしょう。僕たちの仲間はよく参加してましたよ。

 同志社の英文科は女の子ばっかりで、男がほとんどいなかったでしょ。住んでいたのは学生マンションですか?

中村 ううん、実家です。大阪に住んでいたから。

佐藤 でも、しばらくすると京都に住みたがる人多くなかった? そのほうが男、連れ込めるしさ。

中村 うちでは、それをほんとに警戒されていたんで。何しろ慶應大学の入学金を払わなかった親ですからね。東京で下宿生活をすると「おまえは絶対堕落する」って言われたの。だけど、そのとおりと思う。男連れ込んで大学に行かずに中退して、今でいうキャバ嬢になっていましたよ(笑)。

佐藤 お父さんが厳格なクリスチャンでしたよね。でも、そのころに免疫がついていると、案外あとは……。

中村 そうなんですよ。親が大学時代に箱入りにしたせいで、私はこうやって不良中年になるわけじゃない。だから、人間いつグレるのかっていうような話だよね。

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私のマルクス
佐藤優・著

定価:本体714円+税 発売日:2010年11月10日

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