- 2016.09.16
- インタビュー・対談
アメリカ ギフテッド教育に学ぶ、子供の好奇心を伸ばすことの大切さ 石角友愛×本山勝寛
「本の話」編集部
『アメリカ ギフテッド教育最先端に学ぶ 才能の見つけ方 天才の育て方』 (石角友愛 著)
ジャンル :
#ノンフィクション
石角 本山さんは、日本財団で「これも学習マンガだ!~世界発見プロジェクト」を立ち上げられ、『人生と勉強に効く学べるマンガ100冊』という本も出されましたよね。
本山 私は、高校卒業後、東大、ハーバード教育大学院と進んで、世界のいろんな教育を見てきましたが、日本の強みはマンガやアニメにあると思ったんですね。いわゆる「学習マンガ」だけでなく、普通のエンタメ作品の中にも、学べるコンテンツがいっぱいある。『学べるマンガ100冊』は、マンガ家さんやマンガに詳しい方に、そういった学べる作品を100冊選んでいただき、紹介した本です。マンガでも、ゲームでも、学びの楽しさを知る子供のスイッチを入れてあげることが、何よりも大事だと思いますね。
石角 ハーバード教育大学院には、子供の知的好奇心を伸ばすには、どうすればいいかを研究している人もたくさんいますね。マンガやアニメに特化して研究している人もいたと思います。世界トップレベルの教育学者にとっても大きな関心事になっているということですね。
本山 うちには、7歳、5歳、3歳、1歳と4人の子供がいますが、親も一緒になっていろいろ遊びまくっています。それぞれ興味が違うのですが、一番上の男の子は、虫好き。公園に行ったら、そこらじゅうの岩や石を持ち上げて、その下にムカデやダンゴムシを発見すると、興奮しています。遊びを通して、楽しみながら学んで自分の好きなことをつきつめていくのですね。
石角 アメリカでは、公立校の5校に1校が、学力テストの成績を伸ばせ、進学率を伸ばせという親御さんのプレッシャーから、休み時間を1時間削っているというデータがあります。それで「毎日、あと1時間、自由遊びの時間を増やしてください」というポスターが小児科の個室などに貼ってあります。何にも決まり事がない中で、子供に好きなことをさせることで、子供が何が好きなのか、何に向いているのか、も分かってきますよね。
本山 最近、出版した『一生伸び続ける人の学び方』という本の中でも書いたのですが、近年、アメリカではCQ(Curiosity Quotient=好奇心指数)というものが注目されています。旧来のIQ(知能指数)に加え、十数年前から、EQ(心の知能指数)の重要性が言われてきましたが、今最も大事なのはCQではないかと思います。
これまでは、与えられた知識を覚え、使っていくだけでよかったのですが、IT化が進み複雑化する現代社会の中では、自ら課題を発見し、学び続けていく力が最も必要とされます。そのために、CQが高いことが大事になってきます。ギフテッド教育に限らず、親が一緒になって、子供と遊び、楽しんだりする中で、子供の好奇心を発掘していくことが、何よりも大事ですね。
才能の見つけ方 天才の育て方
発売日:2016年08月26日
-
『赤毛のアン論』松本侑子・著
ただいまこちらの本をプレゼントしております。奮ってご応募ください。
応募期間 2024/11/20~2024/11/28 賞品 『赤毛のアン論』松本侑子・著 5名様 ※プレゼントの応募には、本の話メールマガジンの登録が必要です。