- 2014.10.26
- インタビュー・対談
巻末特別対談
科学の研究って役に立つの?
成毛眞×田中里桜
「本の話」編集部
『理系の子 高校生科学オリンピックの青春』 (ジュディ・ダットン 著/横山啓明 訳)
ジャンル :
#ノンフィクション
ビジネスと科学研究の共通点
成毛 ビジネスマンだった僕からすると、自分で問題を見つけて、理系的にというか、因果関係をきっちり把握しながら多角的にものを見るという才能がある人っていうのは、ものすごくビジネスに向いてるんですけどね(笑)。
田中 アハハハハ。
成毛 ほんとに。ものすごく偉くなるんです、そういう人(笑)。
田中 私も実際、経済学とかにもすごい興味があります。考え方は同じなんですかね。わからないけど。
成毛 ああ、もう100パーセント同じだと思いますよ。この本に出てくる人たち全員、ビジネスマンとして大成すると思います。僕のよく知っているビジネスマンで、たとえばマイクロソフトのビル・ゲイツとかスティーヴ・ジョブズとか、松下幸之助とか本田宗一郎もそうだと思うんだけど、きわめて理系です。理系というか、研究者で。お金もうけ以前に全然別の自分のテーマがあって、それに熱中してやっているうちに、でかい会社をつくっちゃった、という人たちばっかりだと思います。研究のプロセスの中では、まず仮説を立てなきゃいけない。これはうまくいくかどうかとか、これはこうなっているんじゃないか、と。ビジネスも仮説がものすごく重要で、おそらくこういう商品をつくったら売れるに違いないとかいう仮説をつくるわけですよ。他人から見たら単なる思い込みだったりするし、自分で見ても思い込みだったりするんだけど、とにかく仮説をつくって実際にものをつくって売り出して、売れるかどうかを試してみる。つまり、まずは実験をしてみて、売れなかったらすぐやめて、ほかへ行く。今のビジネス書のどれを読んでも、だめだったらすぐやめて次に行け、と書いてあるわけですよ。
田中 研究もまったく同じです。1つ問題を見つけたら、まず仮説を立てて、それを立証するためのアプローチを考えて、だめだったら見直して違う方法で、と、ずっとその繰り返しなので。アプローチを考えるというのも、1つのスケールだけじゃなくて、いろんなものを試してみて、併せて考えるというのがすごく大事です。だから、やっぱり同じなんですね。
成毛 なので、将来的にはそっちの方向も併せて考えていただいて。そうすると、僕、投資したいんだけど(笑)。
田中 よろしくお願いします(笑)。
(2014年8月)
-
『赤毛のアン論』松本侑子・著
ただいまこちらの本をプレゼントしております。奮ってご応募ください。
応募期間 2024/11/20~2024/11/28 賞品 『赤毛のアン論』松本侑子・著 5名様 ※プレゼントの応募には、本の話メールマガジンの登録が必要です。