北海道・札幌――亀岡の動きは、ほぼ実話
第2話「雪国ノワール 札幌」。札幌へは仕事で、コカ・コーラ工場の見学に行ったんですね。1月で、すごく寒くて。飛行場降りたら、マイナス17度でした。
仕事のあと、亀岡になった気分で、ひとりで雪の中、うろうろしたんですが、あまりにも寒いんでサウナに行きました。サウナは何軒もあって、どこも豪華でよかったなあ。どこに行こうか、すごく悩んだ覚えがあります。
さっぽろテレビ塔で、ほんとうに写真を撮られましたね。「いや、いらないです」って言ってるのに、「さっぽろテレビ塔!って大きな声で言ってください」と。ソフトクリームもうまそうだったんですよ。牛乳の味が濃くて、美味しかったんですけど、寒くて。なにしろマイナス17度ですからね。ちょうど、雪まつりを準備している時期で、なにかキャラクターの雪像を作っていた。それで「マントラくん」を思いつきました。
亀岡になったからには、酒場には行かなくては、と思って、ひとりで焼き鳥屋と、大衆酒場に行ったんですよね。
酒飲む前に、本屋に入って、深沢七郎の『みちのくの人形たち』を買いました。家に同じ本を持ってるんだけど、「ああ、ここでこれ、読みたい!」って思って。旅先でどうしても読みたくなる本って、あるじゃないですか。その場所で、その気分に浸るっていうのかな。
ひとりで酒場に入るのも、酒を飲みたいんじゃなくて、そこにいる自分を俯瞰してみたいのかもしれません。
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