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半沢直樹シリーズ最大の話題作がついに文庫化! 『ロスジェネの逆襲』読書会

半沢直樹シリーズ最大の話題作がついに文庫化! 『ロスジェネの逆襲』読書会

文:大矢 博子

『ロスジェネの逆襲』 (池井戸潤 著)

出典 : #週刊文春

『ロスジェネの逆襲 』 (池井戸潤 著)

加藤 半沢は利己的な人間であることを隠さないから、気持ちいい。でも『ロスジェネの逆襲』では少し変わりました。

大矢 では『ロスジェネの逆襲』の話に移りましょう。

神田 最後までひやひやして目が離せませんでした。これだけ難しいテーマをエンターテインメントにできるのはすごい。私、融資とか買収とかぜんぜん予備知識がなかったんですけど、登場人物が魅力的で、わかりやすくて楽しかった!

加藤 最初の2冊は50ページごとにスカッとするような小気味良い波がありましたけど、ロスジェネはじっくり溜めて溜めて、2回くらいの大きいカタルシスがある。ぼくはこれがいちばん楽しめましたね。

寺倉 私もいちばん楽しく読めたのは『ロスジェネの逆襲』です。登場人物に若手が入ったのもあるんですけど、特に企業買収のスキームが興味深い。

大矢 好きなキャラクターっていますか?

神田 私は森山ですね。最初は不満を持ってたけど、だんだんやりがいを持って働けるようになる。自分も仕事でやりがいを見つけられたらいいなあ。

加藤 ぼくはホリエモンとかをリアルタイムで見ていたので、対照的なふたりのIT経営者・瀬名と平山が印象的でしたね。

大矢 私は女性が出てこないのが好きなんです。

神田 あっ、私もです!

大矢 だよねーっ(女性陣意気投合)。企業モノにありがちな「意味なく登場する美人」がいない。男ばっかりなのが逆にすっきりして、読んでて余計なストレスがないんですよ。

神田 同感です。でも反対に、なんで女性が活躍してないの? って思う読者もいるでしょうね。

大矢 それは花咲舞シリーズを読んで頂きましょう。寺倉さんは印象深い登場人物はいましたか?

寺倉 三木ですね。

大矢 ああ、利用された挙句に不本意な部署に入れられて可哀想だから?

寺倉 いや、親会社に戻してもらえて、総務でコピーとってれば標準以上の給料もらえるんだから、いいじゃん、って。

全員 (爆笑)

大矢 (笑いながら)でも、彼にとってはやりたい仕事と違うから……。

寺倉 うーん、一般論ですけど、やりたい仕事を追う人がいる一方で、生活のために仕事を続ける人も多いと思うんですよ。

加藤 (納得して)ああ、そうか。うーん。

大矢 そのあたり、就活生としてはどう?

神田 私は自分が向いてそうな職種に就きたいと思ってます。やりたいことはあるんですけど、それは趣味でやろうかなって。

加藤大矢 (顔を見合わせて)別なんだ!

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