加藤 半沢は利己的な人間であることを隠さないから、気持ちいい。でも『ロスジェネの逆襲』では少し変わりました。
大矢 では『ロスジェネの逆襲』の話に移りましょう。
神田 最後までひやひやして目が離せませんでした。これだけ難しいテーマをエンターテインメントにできるのはすごい。私、融資とか買収とかぜんぜん予備知識がなかったんですけど、登場人物が魅力的で、わかりやすくて楽しかった!
加藤 最初の2冊は50ページごとにスカッとするような小気味良い波がありましたけど、ロスジェネはじっくり溜めて溜めて、2回くらいの大きいカタルシスがある。ぼくはこれがいちばん楽しめましたね。
寺倉 私もいちばん楽しく読めたのは『ロスジェネの逆襲』です。登場人物に若手が入ったのもあるんですけど、特に企業買収のスキームが興味深い。
大矢 好きなキャラクターっていますか?
神田 私は森山ですね。最初は不満を持ってたけど、だんだんやりがいを持って働けるようになる。自分も仕事でやりがいを見つけられたらいいなあ。
加藤 ぼくはホリエモンとかをリアルタイムで見ていたので、対照的なふたりのIT経営者・瀬名と平山が印象的でしたね。
大矢 私は女性が出てこないのが好きなんです。
神田 あっ、私もです!
大矢 だよねーっ(女性陣意気投合)。企業モノにありがちな「意味なく登場する美人」がいない。男ばっかりなのが逆にすっきりして、読んでて余計なストレスがないんですよ。
神田 同感です。でも反対に、なんで女性が活躍してないの? って思う読者もいるでしょうね。
大矢 それは花咲舞シリーズを読んで頂きましょう。寺倉さんは印象深い登場人物はいましたか?
寺倉 三木ですね。
大矢 ああ、利用された挙句に不本意な部署に入れられて可哀想だから?
寺倉 いや、親会社に戻してもらえて、総務でコピーとってれば標準以上の給料もらえるんだから、いいじゃん、って。
全員 (爆笑)
大矢 (笑いながら)でも、彼にとってはやりたい仕事と違うから……。
寺倉 うーん、一般論ですけど、やりたい仕事を追う人がいる一方で、生活のために仕事を続ける人も多いと思うんですよ。
加藤 (納得して)ああ、そうか。うーん。
大矢 そのあたり、就活生としてはどう?
神田 私は自分が向いてそうな職種に就きたいと思ってます。やりたいことはあるんですけど、それは趣味でやろうかなって。
加藤・大矢 (顔を見合わせて)別なんだ!
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