本の話

読者と作家を結ぶリボンのようなウェブメディア

キーワードで探す 閉じる
半沢直樹シリーズ最大の話題作がついに文庫化! 『ロスジェネの逆襲』読書会

半沢直樹シリーズ最大の話題作がついに文庫化! 『ロスジェネの逆襲』読書会

文:大矢 博子

『ロスジェネの逆襲』 (池井戸潤 著)

出典 : #週刊文春

『ロスジェネの逆襲 』 (池井戸潤 著)

半沢はダークヒーロー

大矢 『オレバブ』2作はドラマの原作でした。

加藤 倍返しって、ちゃんと原作に出てくるんだね。

全員 (笑)

加藤 ぼくはドラマを見てないんですが、ウケるのが理解できました。わかりやすくてスカッとする。それが癖になるんです。他にも読みたくなって、『シャイロックの子供たち』を買っちゃいました。

神田 半沢の父親が言った「銀行員である前に人であれ」が印象に残ってます。バブルの話はよくわからなかったんですが、就活をしていると企業の方が「人が大切」とよくおっしゃるので、それに通じる気がします。

寺倉 私は最初の会社を2年で辞めて今の会社に入ったので、銀行というひとつの組織に依存してるような登場人物が多かったのが、うーん、感覚が違うなあという……。登場人物でいちばん興味深かったのは、精神を病んで出向させられた近藤ですね。

大矢 現代にも通じる問題ですものね。

寺倉 たいへんですよね。ただ、近藤は出世が遅れて年収も低い、みたいな会話があったんですけど、銀行の出向組ならどう転んだって平均よりいい給料もらってますよね? そういう感覚が、バブルで若くして出世した人ばかりの話なんだなあと感じました。

大矢 わあ、そっちか! 近藤って、善玉悪玉はっきりしてるこの話の中では、揺れる存在ですが。

加藤 いや、そこは善悪じゃなくて、半沢側か半沢側じゃないかだと思うな。半沢は善や正義というより、ダークヒーローでしょう。

大矢 ダークヒーロー!?

加藤 うん、いかに自分が生き延びるかが第一で、邪魔するやつ、足をすくおうとするやつは許さない。1作目の最後は、不正した相手を警察に突き出すんじゃなく、自分の地位を要求するし。

神田 私もダークヒーローだと思って読んでました。

寺倉 半沢自身もバレたらコンプライアンス違反になるようなことをしてますもんね。

大矢 (驚いて)私は半沢を、サラリーマンの気持ちを代弁してくれる英雄だと思ってたのに……。

加藤 それはそうです。ただ、『シャイロックの子供たち』に、半沢の敵側にいるような人が主人公の話もあるんですよ。たたき上げで保身を考える副支店長とか。彼は彼で自分の職務に忠実なわけで、どちらが正義というわけじゃない。

大矢 なるほど。

【次ページ】

文春文庫
銀翼のイカロス
池井戸潤

定価:836円(税込)発売日:2017年09月05日

文春文庫
ロスジェネの逆襲
池井戸潤

定価:770円(税込)発売日:2015年09月02日

文春文庫
オレたち花のバブル組
池井戸潤

定価:770円(税込)発売日:2010年12月03日

文春文庫
オレたちバブル入行組
池井戸潤

定価:770円(税込)発売日:2007年12月06日

プレゼント
  • 『運 ドン・キホーテ創業者「最強の遺言」』安田隆夫・著

    ただいまこちらの本をプレゼントしております。奮ってご応募ください。

    応募期間 2024/6/20~2024/6/27
    賞品 『運 ドン・キホーテ創業者「最強の遺言」』安田隆夫・著 5名様

    ※プレゼントの応募には、本の話メールマガジンの登録が必要です。

ページの先頭へ戻る