

他方で、エミール・デュルケームは、経済的下部構造に還元されないような上部構造がもつ力を「社会」に見いだしたといえます。彼はそれを「社会的事実」あるいは「集合表象」と呼びました。それは、個人の意識・心理を越えたものであり、また、それらの総和以上のものです。たとえば、デュルケームは、神と呼ばれているものは、実は社会であるという。つまり、彼は神のように働く「力」を、ウェーバーのように宗教を持ち出すことなく、説明しようとしたといってよいでしょう。(ついでにいうと、ウェーバーが産業資本主義の発展に貢献するものとしてプロテスタンティズムを評価したのに対して、デュルケームは『自殺論』で、自殺者が少ないという統計的事実から、カトリックを肯定的に評価しました。)

この続きは、「文學界」12月号に全文掲載されています。
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