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これが新聞記者の調査報道! 『兵器を買わされる日本』東京新聞社会部

これが新聞記者の調査報道! 『兵器を買わされる日本』東京新聞社会部

東京新聞社会部

税金がアメリカに搾取されてい る!

出典 : #文春新書
ジャンル : #ノンフィクション

『兵器を買わされる日本』(東京新聞社会部 著)

 G20直前というタイミングでのトランプ氏の日米安保批判に、日本政府は狼狽したに違いない。菅義偉(すがよしひで)官房長官が定例の記者会見で、日本は日米安保条約6条に基づき米軍の日本駐留を認め、基地施設を提供していると主張。「全体として見れば日米双方の義務のバランスは取られており、『片務的』は当たらない」と主張した。だが、政府の反論やコメントはこれくらいで、首相は首脳会談であえて議論するのを避けた。

 トランプ氏はG20の際に宿泊した大阪市内のホテルで行った記者会見で、焦点の対日貿易赤字について「米国は世界のかなりの割合(の国々)を守っているが、(その国々は)対価を払っていない。米国は同じ国との貿易で利益を失っている。安倍首相に『どうしてこんなことが起きるのか』と尋ねた」と内輪話を披露。続けて「(日本が米国に)何十億ドル相当もの自動車や他の製品を輸出しているのに、われわれは実質的に何も輸出していない」と不満をぶちまけた。日米の貿易交渉に米国の軍事的貢献度を持ち出し、大統領が自画自賛する「ディール(取引)」を有利に展開しようという魂胆が見え見えだった。

 2020年の大統領選に向け、トランプ氏は日本との貿易交渉で大きな成果を上げ、国内向けに大きな土産にしたい。自動車の輸入関税の引き上げや安保条約の改正という「切り札」で、トランプ氏は今後も兵器を売り込んでくるだろう。

文春新書
兵器を買わされる日本
東京新聞社会部

定価:935円(税込)発売日:2019年12月18日

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