- 2020.01.30
- インタビュー・対談
シシド・カフカ「世界で最も不運な探偵 ハムラアキラ」を演じて
「オール讀物」編集部
「葉村晶シリーズ」ドラマ化インタビュー
出典 : #オール讀物
ジャンル :
#エンタメ・ミステリ
音楽と演技との共通点
私はミュージシャンなので、演技もついつい音楽に例えてしまいますが、共演者との距離の合わせ方は、ライブでのセッションに似ていると思います。ライブでは一度限りのことですが、撮影となると、その掛け合いがずっと続いていく感じです。それと、リズムも大切にしています。セリフを紡いでいくのもリズムだと思っていて、共演者の方とどのような音色を出すことができるかを意識してやっています。デビューしたころ、役者の仕事なんて一ミリも考えたことなどありませんでしたが、いまは音楽と通じる表現の部分で興味深く挑戦をさせてもらっています。
葉村が勤めているミステリ専門書店をスタジオに再現するために、古書が約二〇〇〇冊集められている。原作でも「本へのこだわり」が随所に出てくる葉村シリーズだが、その映像化に向けての制作サイドの気合が伝わる撮影セットだ。
小学生のころから、休み時間になると図書館に駆け込むくらい本が好きです。電子書籍は買ったことがなくて、読むのは紙の本です。ページをめくる感覚も好きだし、表紙のアートワークや書体の使い方など、実際に手にして確かめるのが楽しいですね。ミステリが好きで、誉田哲也さんなどよく読んできましたが、最近、山口瞳さんのエッセイ「男性自身シリーズ」を読むようになりました。知り合いの引越を手伝ったとき、好きな本を持って行っていいというので、タイトルにひかれて手に取りました。伊丹十三さんも好きです。皮肉とともに自分の考えをつづる洒脱さといいますか、オジサマたちの斜めの視点が面白いと思っています。