書評

僕とミステリ書店〈TRICK+TRAP〉と女探偵・葉村晶の不思議な関係

文: 戸川安宣 (編集者)

『錆びた滑車』(若竹七海 著)

『錆びた滑車』(若竹七海 著)

 葉村晶シリーズの最新作をお届けします。

 ときいて、待ってました、と思う読者には、あとはなにも書く必要がない。

 葉村晶って、誰? え、シリーズなの、じゃ、これから読んでもだめなんだね、という読者には、いえ、そんなことはありません。どの巻から読んでも楽しめますから、ご安心を――と、これだけ言えば充分。

 ともあれ、あなたがミステリ・ファンであれば、まずは読んでください、決して損はさせませんから。そして、もしあなたが三度のご飯よりミステリが好きで、作品中に出てくる〈MURDER BEAR BOOKSHOP〉のような店が実際あるのなら、ぜひ行ってみたい、と思うようであれば、この本はまさにうってつけの一冊と言えるでしょう。

 そして、読み終わった瞬間、近くの書店に飛んでいき、葉村晶の出てくる作品を探して文春文庫の棚の(たいがいは、著者名の五十音順に並んでいるでしょうから)おしまいの方から見ていって、若竹七海の本を片端から手にとるようになること請け合いです。



こちらもおすすめ
特集葉村晶語録──人生の箴言に満ちた皮肉なつぶやき(2018.08.22)
特集【週刊文春ミステリーベストテン 2018年国内部門第6位!】ミステリ古書店のバイト店員にしてクールでタフな女探偵──葉村晶のこれまで(2018.12.07)
インタビューほか強運の女探偵──女探偵・葉村晶シリーズ(2018.08.21)
書評四十肩すら魅力的な女探偵。葉村晶は唯一無二、圧倒的なヒロインなのである。(2016.08.24)
書評長いお別れのあとに(2014.12.01)
錆びた滑車若竹七海

定価:本体800円+税発売日:2018年08月03日