“あの”ヒロイン葉村晶の短編集である。
“あの”とは、“どの”ヒロイン?と仰る不勉強な読者のため、かいつまんでご紹介しておこう。
国籍・日本、性別・女。吉祥寺にあるミステリ専門書店〈MURDER BEAR BOOKSHOP〉の店員にして、この書店が半ば冗談で公安委員会に届出をした〈白熊探偵社〉に所属する、ただひとりの調査員でもある。
本書の123ページからコピペしたのはぼくだが、書いたのは作者だから、安心して覚えていただきたい。
ぼくはこの女探偵を、不運だが律儀でタフ、そして愉快な主役として認識している。愉快なぞと形容されて本人は不愉快かも知れないが、ごめんなさいね葉村さん、二読三読するごとに笑いを禁じ得ないのが正直な感想なんですから。
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