- 2020.06.19
- インタビュー・対談
ラジオで聴く名作「妹背山婦女庭訓」を巡る物語。その魅力を女優・竹下景子が語る!
大島真寿美の直木賞受賞作『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』がラジオドラマ化
ジャンル :
#歴史・時代小説
――新型コロナウィルスの影響で放送開始日が延びていたそうですが、いよいよ6月21日からラジオドラマ『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』がスタートします。竹下さんご自身の役どころを教えてください。
竹下 「新日曜名作座」は西田敏行さんと私の二人だけのラジオドラマになるので、西田さんは主人公の近松半二をはじめとする男性の登場人物、私が女性役を演じています。半二のお母さんだったり、兄の元許嫁だったり、奥さんになる女性だったりといった、その生涯に影響を与えた女性登場人物たちですね。
さらに、今回は「妹背山婦女庭訓」の主役である、お三輪という娘さんの語り口を借りた、物語全体の〈語り〉も担当しています。特にこの部分は、おきゃんで可愛らしいお三輪が語るということで、単なるナレーターということではなく、これがキャラクターとしてドラマの中で活きるような仕掛けになっています。
――ラジオの収録の前には原作小説も必ずお読みになると聞きました。大島真寿美さんの『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』にはどのようなご感想を?
竹下 今回も一気におもしろく読ませていただきました。現代の文楽というのは古典芸能になっているわけですが、当時の人形浄瑠璃というのはすごく普遍性があって、舞台から力強く観客に訴えかけてくるものだったというのが伝わってきました。
おそらく人形浄瑠璃として「おぎゃあ」と産声を上げた時には、たぶん私自身が体感した1970年代のアングラの演劇のようなアバンギャルドなものだったんじゃないか……というのも、心中事件のような三面記事的なものがそのまま舞台化されていて、演劇はまさに時代を映す鏡だったわけですからね。
いまは文楽を観るというのは、特に東京の劇場だと訪問着をきちんと着て、背筋を伸ばして観るような、どこかステイタスのある文化になっていますが、昔はもっとライブな感じのするものだったんだ、と改めて気づかされました。
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