今年で第100回の節目となるオール讀物新人賞(2007年にオール讀物推理新人賞と統合)。
受賞以来、活躍を続ける2人の作家がデビューまでの軌跡を語ります。
坂井希久子(第88回受賞『男と女の腹の蟲(むし)』)
中学生で初めて新人賞に応募
私は小学校六年生の時に「小説家になる」と言い始めたんです。子どもの頃からお話を作るのは好きで、中学生のときには、自分と同じように作家になりたいという友だちとリレー形式で小説を書いていました。でも、交代で続きを書き継いでいくので、話が思わぬ方に展開してしまうんです(笑)。
初めて新人賞に応募したのも中学生のときでした。当時はコバルト文庫が好きだったので、コバルト文庫のノベル大賞に応募して、いけるんじゃないかと思ったりもしたんですけど、結果は出ませんでした。ファンタジーや、ちょっとBL要素が入っているようなものを書いていましたが、その頃はただ自分の“萌え”のままに書いていましたね(笑)。
それまでは手書きで書いていたんですけど、高校の入学祝いにワープロを買ってもらってからはワープロ原稿です。ただ、高校生になると、恥ずかしいのであまり他の人に読んでもらうこともありませんでしたね。
小説の勉強のために大学では日本文学科に進んだのですが、大学時代は遊んでしまって、四年間で一度も応募しませんでした。それが、社会人になって書きたくても書く時間が無いと、やたら書きたくなる(笑)。でも、二次選考までは進めても、なかなかその先の壁が突破できないんです。そうこうしているうちに、新卒で入った会社を退職して上京したので、小説にも本腰を入れようと思って見つけたのが山村教室(山村正夫記念小説講座)でした。一人で考えていても限界があるのではと思って受講し、三、四年は通いました。
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