インタビューほか

このパンデミックで人類の未来はどう変わるのか?

大野 和基 (編)

『コロナ後の世界』(ジャレド・ダイアモンド/ポール・クルーグマン/リンダ・グラットン/マックス・テグマーク/スティーブン・ピンカー/スコット・ギャロウェイ/大野 和基)

『コロナ後の世界』(ジャレド・ダイアモンド/ポール・クルーグマン/リンダ・グラットン/マックス・テグマーク/スティーブン・ピンカー/スコット・ギャロウェイ/大野 和基)

 ところが、その一カ月後に死者は一万二千人を超え、五月には九万人超にものぼりました。死亡者数三万人台のイギリス、イタリアを大きく上回り、世界最悪の事態となったのです。新型コロナの脅威を軽く見すぎていたことは明らかでしょう。

 幸いにも私が住んでいるカリフォルニア州では、ニューサム知事が三月十九日にいち早くロックダウン(都市封鎖)を開始し、ロサンゼルス市のガルセッティ市長とともに素晴らしいリーダーシップを発揮してくれました。

 他国に目を向けると、イギリスのボリス・ジョンソン首相も当初は厳しい現実から目をそらしていたように思えます。三月十二日には、ウイルスを封じ込めるのではなく、「感染のピークを遅らせて五〇%に抑えることを目指す」と宣言しました。つまり、都市封鎖はせずに「集団免疫」を獲得する方針を打ち立てたのです。ところが、自分自身が感染して入院したことで(四月十二日退院)、ようやく事態の深刻さを認めたように思えます。

 ブラジルのボルソナロ大統領は、国内の死者が二万人に及ぼうとしているのに、「新型コロナには七〇%が感染する。どうすることもできない」などと言って経済活動の再開を訴えるばかりで、いまだに感染防御への真剣さが見られません。

 さて、日本の新型コロナ対策はどうでしょうか。アメリカにいる私から見ると、日本は諸外国に比べて、よくやっているように思えます。そもそもアメリカやヨーロッパと比較すると、日本政府はパンデミック対策において恵まれていると思います。というのも、日本は欧米よりも政府の統制力が強く、個人の自由が制約されることへの国民の反発が少ない印象があるからです。ロサンゼルス市では外出禁止令が出された後でも、市民が閉鎖されているビーチに出かけたり、そこでゲームをしていたりする人までいます。日本では社会的な規範に反してまで、自己中心的な行動をする人は少ないでしょう。

コロナ後の世界ジャレド・ダイアモンド ポール・クルーグマン リンダ・グラットン マックス・テグマーク スティーブン・ピンカー スコット・ギャロウェイ 大野和基

定価:本体800円+税発売日:2020年07月20日


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