- 2020.07.16
- インタビュー・対談
このパンデミックで人類の未来はどう変わるのか?
大野 和基 (編)
『コロナ後の世界』(ジャレド・ダイアモンド/ポール・クルーグマン/リンダ・グラットン/マックス・テグマーク/スティーブン・ピンカー/スコット・ギャロウェイ/大野 和基)
ウイルスの蔓延を防ぐためには、外出禁止など人々の自由な行動を制限することがどうしても必要です。その意味で私たちアメリカ人は独裁的な政治体制をもつ中国をうらやましいと思うこともあります。中国のような共産党一党独裁の政府は、ひとたび決断すれば強権的に緊急措置を実行することが可能ですから。
しかし、民主主義国家よりも独裁国家のほうが感染症に対して有効に対処できたかというと、答えはノーです。
昨年十二月に新型コロナによる肺炎が発生したとき、中国政府は情報を隠蔽しようとしました。民主主義国家では、そのような情報を統制することはほとんど不可能ですが、独裁体制であれば悪い決断であっても迅速に行えるのです。
振り返ってみれば、二〇〇二年十一月、SARS(重症急性呼吸器症候群)の感染者が最初に発生したのも、中国でした。SARSウイルスが人に伝染したのは、野生動物市場が原因です。そこで売られていたハクビシンからウイルスが人に感染したのであり、そのハクビシンはコウモリからウイルスに感染したと考えられています。
未知の感染症はSARSやエイズ、新型コロナに限らず、人類の中で自然に発生するものではありません。動物が持っているウイルスが人間にも感染するように変異するのです。その多くが野生の哺乳類です。なぜならウイルスや病原菌にとって、もともとの宿主と同じような性質の動物に乗り換えるほうが簡単だからです。
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