- 2020.07.16
- インタビュー・対談
このパンデミックで人類の未来はどう変わるのか?
大野 和基 (編)
『コロナ後の世界』(ジャレド・ダイアモンド/ポール・クルーグマン/リンダ・グラットン/マックス・テグマーク/スティーブン・ピンカー/スコット・ギャロウェイ/大野 和基)
グローバリゼーションが進む中、世界的な危機として気候変動もあげられますが、気候変動は一週間で人の命を奪いません。ところが、このウイルスは一週間もしないうちに命を奪うことがあるのです。
感染症がこれほどの世界的な脅威になるのは、初めてのことかもしれません。これまで国際社会がみな一致して脅威だと認めたクライシスは、実はあまり前例がないのです。天然痘が、国際的に一致して世界的脅威だとされ、ウイルス撲滅に成功した唯一のケースです。一九五八年にWHO(世界保健機関)で根絶決議が全会一致で可決され、一九八〇年に根絶宣言が出されました。
今回のパンデミックは、その時と同じように世界的な脅威という認識を共有して、国際社会で団結できるかもしれません。新型コロナウイルスは自然に消滅することはありません。ですから世界中で撲滅しようとしても、一カ国だけ残っていたら、そこからまた再流行する可能性があるのです。
今回のパンデミックは歴史的に見ると、第一次世界大戦終盤の一九一八年から大流行したスペイン風邪に一番近いのではないでしょうか。スペイン風邪による死者は約四千万人、一説には一億人以上が命を落としたとも言われます。
あくまでも現時点での推測ですが、流行が収束するのは最も早くて二〇二〇年の後半でしょう。
本書『コロナ後の世界』では、ダイヤモンド氏に加えて、ポール・クルーグマン氏、リンダ・グラットン氏、マックス・テグマーク氏、スティーブン・ピンカー氏、スコット・ギャロウェイ氏のインタビューを掲載している。
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